ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
23/08/08(火)20:19:23 No.1087967333
あくまで主観ですけど、セイちゃんとフラワーは両想いだったんじゃないでしょうか~。 ただその熱量に差はあったとは思いますねー。 当時の私は結構掛かり気味でしたけど、フラワーはかなり冷静でしたよね。 「フラワー…その、もしよかったでいいからさ、私と旅行に行ってみない?」 「旅行、ですか?お誘いは嬉しいですけど、スカイさんの考えているご予定は?」 「…30日31泊」 「えっ?」 「あっ、ごめんごめん。30泊31日だったかな、あはははは…」 私ったら、フラワーを戸惑わせてるくせしてまず自分が戸惑ってたんですよ。 それこそフラワーよりもずっと、ずっとそうだったと思います。 年上のくせしてまだ年少の子よりも落ち着きがなく、また頼りがいもなかった。 それでなくても色々おかしいことばかりでしたし、誘いを断られるのは当然の結果だったんじゃないでしょうかー。 …若気の至りってことで片付けられたらいいんですが、そうじゃないから今も心のつかえになってます。
1 23/08/08(火)20:19:41 No.1087967472
「あのっ、スカイさん」 「う、うん」 「まず8泊9日もダメだったんですよ?なのにどうして期間を伸ばしてるんですか?」 ごもっともな指摘でした。けどセイちゃんってばそれだけで動揺しちゃうくらい余裕がなくて、ネガティブ思考に陥ってたんですよねー…。 「やっぱり旅行といえばさ長ければ長いほど楽しいし、そのっ、お互いをもっと深く知るにはいい機会なんじゃないかなーって…」 「あの、スカイさん。何をそんなに焦ってるんですか?」 「焦ってなんか、ないよ?」 だからセイちゃん、フラワーからちょっと詰め寄られたらムキになって否定しちゃいました。 「いつものスカイさんはもっと飄々とした感じで、のんびりしてます。だからと言って、今のあなたがあなたじゃないなんてことは言いませんけどっ…私、急にどうしちゃったんだろうって気持ちでいっぱいなんです。もっと言えば、今のスカイさんは…そのっ、正直怖いんです。私の好きなあなたは、そういうのじゃありません。…今までのあなたは、一体どこへ行ってしまったんですか?」 セイちゃん頭の中が真っ白になって、すぐさまその場を走り去っちゃいましたよ。
2 23/08/08(火)20:19:55 No.1087967565
それから間もなく、私は単身傷心旅行へ行きました。 しばらくお休みをくださいと言ったら、トレーナーさんは何も言わず許可してくれました。何かあったら、責任は自分が取るって言ってね。 この後トレーナーさんには相当迷惑をかけましたけど、彼は文句一つも言わずに私の幸せを祝ってくれました。 …フラワーを好きになる。そのことに私は責任を持たなきゃいけませんでした。 つまりあの時私がやるべきだったことは、誘うんじゃなくて、告白だったんじゃないでしょうか。 結局、フラワーが受け止めてくれないことにはどうにもならなくて、フラワーにも責任の一端を担わせることに変わりはなかったと思うんですけども、間違いなくそれがセイちゃんのやるべきことでしたね。 大事な大事な夏休みを、どうして自分のために使って欲しいと言ったのか、その理由を説明する責任が私にはありましたから。 自分はフラワーのことが好きで、その気持ちをどうにも抑えられなかった。 だから、夏休みという長い時間を一緒に過ごして、これからの関係をどうするか答えを出したかった。 臆病な私は、たったそれだけのことが言えなかったんです。
3 23/08/08(火)20:20:12 No.1087967683
あてのない旅でしたねー。フラワーと二人で行くつもりだった旅先は沢山あったんですけど、一人きりじゃ本当にどうでもよかったので。 正直、なんで旅なんかしてるんだろうって思ってました。逃げてフラワーが追いかけてくるわけではなく、あの日の拒絶がなかったことになるわけでもない。 それでも私は逃げたかった。 レースでは逃げて結果を出してきたから、こういうことでも逃げたら結果が出せるんじゃないかって思ってたのかもしれません。 「Oh!アナタは確か、セイウンスカイさんデスヨネ?どうしてこんなところにいるんデスカ?」 そんなある日、私は空港のロビーでタイキ先輩に出くわしたんですよ。 「ウ~ン…返事出来ないくらいに元気がないんデスカ?…決めマシタ!ワタシの家にステイしてクダサイ!」 「あっ、ちょっとっ!いきなり何するんですか、タイキシャトル先輩っ!」 それで無理やり連れてかれて、私はタイキ先輩ちの家猫になりました。いや~、思えばこの頃から先輩ってば強引でしたね~。
4 23/08/08(火)20:20:30 No.1087967824
「一人でステイツを旅行!?ノ~…いくらスカイがウマ娘だからと言って、それは本当に危ないデース!」 「あはは…大丈夫ですって。こっちの人はセイちゃんみたいな子なんてタイプじゃないでしょー?」 「ノーウ!」 「むぐっ…ちょっとタイキ先輩、苦しっ…!」 「スカイはso cute!今まではただ見逃されてただけデース!だからこうしてワタシに捕まってるんデスヨネー?」 「ひゃ、ひゃいっ…!」 タイキ先輩はあっという間に距離を詰めるタイプというか、とても人懐っこいんですよ。 ですからちょっとナーバスになってたセイちゃんのことも、あっという間に解きほぐしましたね。 身も心もやわらかくて、こちらを安心させてくれる人。 「スカイは本当に可愛いデース!ですからしょげたりせず、元気になってもっと可愛いところを見せてくだサーイ!」 その評価にウソはないですけど、全部でもないんですよねー。 いやーセイちゃんすっかり油断してました。…ひょっとしたら、気づかないフリをしてたのかもしれませんけどね。
5 23/08/08(火)20:20:45 No.1087967930
「…デイジー」 「どうデスカ?とってもキレイなお花畑デショウ?」 確かにキレイです。けどあんまり見たくない花でもありました。ほっつき歩いてた先で見つけたデイジーの花畑を、ある日の落ち込んでるフラワーにも見せてあげて元気づけたのを思い出しちゃったので。 「ええ、本当にキレイですね」 「…あんまり嬉しそうじゃないデスケド、デイジーは嫌いデシタカ?」 「いえいえ~…ただ、私の方に問題があるだけで」 その時の私は一体どんな顔をしてたんでしょうね。確かなのは、隙を見せたと思われる私が花畑の上に組み伏せられたということです。 「あの、タイキ先輩?」 「ワタシにはよく分かりませんケド、嫌なことならすぐに忘れさせてあげマス…レッツ・エンジョイ!」 それから先のことはあんまり覚えてません。覚えているのは、セイちゃんのデイジーがそこで終わっちゃったのと、大きなレースを勝った時と同じくらい気持ちよかったいうことだけですねー。
6 23/08/08(火)20:21:14 [end] No.1087968143
旅の間、ずっと握りしめてた二人分のチケット。 渡せなかった方のチケットは、今も机の引き出し奥にしまってるんですよねー。 苦い苦い恋の思い出と、それが切欠で始まった今の幸せを象徴するシンボルとして、大事にとっておいてます。
7 23/08/08(火)20:21:47 No.1087968381
うわ…ウワーッ!!?
8 23/08/08(火)20:22:05 No.1087968503
デイジーが散らされたんですね!?
9 23/08/08(火)20:22:10 No.1087968549
GAME OVER
10 23/08/08(火)20:22:16 No.1087968604
タイセイ怪文書増えてきたな…
11 23/08/08(火)20:22:28 No.1087968690
ウワーッ!ウワーッ!
12 23/08/08(火)20:23:52 No.1087969291
よく知らないけど全員抱きマース!
13 23/08/08(火)20:24:13 No.1087969474
Oh…f
14 23/08/08(火)20:24:52 No.1087969761
>いや~、思えばこの頃から先輩ってば強引でしたね~。 ここ今ではもっと深い交友があることを示してて好き
15 23/08/08(火)20:25:06 No.1087969872
>「…30日31泊」 >「えっ?」 >「あっ、ごめんごめん。30泊31日だったかな、あはははは…」 えっ?
16 23/08/08(火)20:25:22 No.1087970009
雲は流されて行くものってそういう…
17 23/08/08(火)20:26:09 No.1087970388
>雲は流されて行くものってそういう… 流れ着いた果ての景色もいいもんですねってセイちゃん思いますね…