23/08/07(月)00:08:22 先日ポ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1691334502520.jpg 23/08/07(月)00:08:22 No.1087362431
先日ポケスペ純愛健全ゾロ目スレでのレブルのネタをアレンジしつつ話として書かせていただきました このスレ自体はダイススレではありません 思いっきり三次創作ですのでご了承下さい あらすじ >夏祭り >カラオケに行く
1 23/08/07(月)00:08:35 No.1087362531
夏の朝。 いつもはのどかな空気に満ちたマサラタウンも、この時ばかりは暑さに支配されていた。 「クーラーって本当に便利だなあ」 自宅の冷房の効いた部屋で、レッドはしみじみそう思う。 暑さに参ってるくらいではトレーナーとしては軟弱、と言われるかもしれない。 だけど体調管理は大切で、肝心な時に熱中症になるのも問題ではあった。 それに、今日は単に暑さが嫌で室内にいるのではない。
2 23/08/07(月)00:09:34 No.1087362881
「今日の花火大会、楽しみねー♪」 浴衣姿のブルーが上機嫌で話しかけてきた。 紫陽花が描かれた、綺麗な浴衣。 元より美人のブルーが着ると、より華やかな印象を受ける。 いつもは下ろしているストレートロングの髪も、今は結い上げてうなじが見えている。 「どう、レッド?」 「すごい綺麗だと思うよ」 「ありがと♡」 ウインクで返礼される。 その仕草に、可愛さよりは色気を感じてしまう。
3 23/08/07(月)00:10:34 No.1087363237
「やっぱりブルーって美人だよな」 「どうしたの?そんなわかりきったことを」 まるで常識を再確認されたかのようにブルーがキョトンとする。 「改めて思ってさ。 オレの彼女は綺麗だなって」 「え…」 ブルーのリアクションが変わった。 余裕が薄れて、動揺が声に混じる。 「元から美人だけど、それに似合う服選ぶのもすごいなってさ」 「…ありがと」 照れながら彼女に礼を言われる。
4 23/08/07(月)00:11:00 No.1087363410
交際してから、こういう顔も見せるようになった。 自分がブルーの弱点をわかるようになったからか。 それとも彼女が弱いところを晒してくれるくらいに、こちらを信用してくれているのか。 どちらでもいい。 2人の距離が近づいているということなのだから。 「ん?」 ポケギアがメールの受信音を奏でた。 開いてみると、内容は今日の天気についてだった。
5 23/08/07(月)00:11:27 No.1087363575
「午後から降るかもだって」 「え?」 ブルーが画面を覗き込む。 こちらの肩にアゴを乗せて、身を寄せている。 彼女の腰に手を回し、一緒にメールの内容を見る。 「あれ、夕方から降るかもしれないのか」 「これ、雨になったら花火大会中止になるんじゃない?」 「それはやだなぁ」 窓の外を見る。 今は雲一つないくらいの快晴。 この後、雨が降るとは到底思えない光景だった。
6 23/08/07(月)00:11:41 No.1087363652
「降らないといいなぁ」 「そうね」 と、耳にキスをされる。 頬にもされる。 「レッドって身体はがっしりしてるのに、ここは柔らかいのね」 そちらを向くと、唇にもされた。 「まだ夕方まで時間あるし、それまで待とっか」 また唇を塞がれた。
7 23/08/07(月)00:13:01 No.1087364166
そして夕方。 「降ってるな…」 「そうね…」 窓の外の景色。 昼間の快晴からは連想できないほどに、雨雲とそこから降る雨でいっぱいになっていた。 「これは確実に花火大会は中止になってるよなぁ」 「えー、せっかく浴衣に着替えたのに」 不満を表そうと、ブルーが頬を膨らませる。 大人びた容姿とは逆の子供のような所作。 それについ微笑ましい気持ちになる。
8 23/08/07(月)00:13:53 No.1087364480
頭を撫でて、彼女を宥める。 少しは機嫌は治ったのか、彼女の方から頭を擦り付けてきた。 「仕方ないから、家でのんびりするかな」 「でも外出る気だったのに。 このまま家に引き篭もるのも嫌。 それに食材も切れてきたし」 「そっかぁ。じゃあ出ないといけないか」 出前という選択肢もある。 だが、それは届けてくれる店員に悪い。 「じゃ、行くか」 「ええ」 先に立ち上がって、ブルーの手を取る。 彼女が立ち上がると、そのまま手を繋いで歩いた。
9 23/08/07(月)00:23:42 No.1087368025
買い物を済ませ、帰ろうとして。 「これさっきより余計に降ってない?」 「なんかそうみたいだなぁ」 スーパーを出ると、すでに豪雨となった道があった。 「このまま帰るのも危ないよな」 マサラタウンはまだまだ田舎だ。 整備された街道は昔よりは増えたものの、まだ土が剥き出しの地面もある。 この雨だとそこが柔らかくなっているであろうし、帰り道として通行すれば足を奪われて転倒する可能性がある。 それを抜きにしても、ブルーは今浴衣姿だ。 足元を汚すようなことは避けたい。
10 23/08/07(月)00:32:14 No.1087370741
相合傘をしながら、できるだけ舗装された道を探して歩く。 だが、レッドの家への正規のルートからはどんどんと離れていった。 終いには、あまり来たことのないホテル区画に来てしまう。 地元でホテルなど利用する機会などない。 だからレッドはここに来たことは幼少期に好奇心を動機とした一度のみで、それ以降は近づくことすらなかった。 「ねえ、レッド」 「どうした?」 ブルーに袖を引かれる。 「浴衣のままだと思ってたより歩くの辛いし、ちょっと休憩していかない?」 「え…」
11 23/08/07(月)00:36:52 No.1087372185
レッドは戸惑う。 この区画にはいくつかホテルがある。 その中には、男女が一緒に入ることを前提としたものもあった。 しかも、それはすぐ近くにあった。 玄関を通り過ぎようとしている。 ブルーはそれに視線を向けることなく、レッドの手を引いた。 どうやらそういった意図ではないらしい。 一瞬でもやましいことを考えてしまい、レッドは後悔した。
12 23/08/07(月)00:43:28 No.1087374331
「レッドとそういうことするのはいいけど、 それは帰ってからね」 見透かされている。 余計に劣情が湧き上がったことを後悔したくなった。 「これから行くところは、もっと普通のところ」 その時のブルーは、発言内容と反比例して妖艶な笑みを浮かべていた。
13 23/08/07(月)00:51:11 No.1087376637
到着したのはカラオケ店だった。 拍子抜けしつつも、空いてる部屋を割り当てられてそこに移動する。 「あー、涼しい」 冷房の効いた部屋でブルーが喜びの声を上げる。 「そんなに暑いのか?」 雨のおかげで湿度は高いが、日は落ちたので昼間ほどの暑さではないはずだ。 「浴衣の中って結構熱いのよ。 こことかね」 そう言ってブルーが胸元を緩める。 隠されていた胸の谷間がちらりと見える。
14 23/08/07(月)00:56:47 No.1087378181
手持ちの扇風機でそこに風を送ると、胸元を戻してブルーがこちらに近づく。 「せっかく来たんだし、何か歌いましょう」 「えー、何歌おっか…」 レッドは頭を抱える。 カラオケのレパートリーなんて、自分が用意してるわけがなかった。 「じゃ、アタシが先に歌うわ」 ブルーがマイクに手を伸ばす。 その際、自分の上に乗っかるような形になった。
15 23/08/07(月)01:03:52 No.1087380132
照れはあるものの、それ以上にブルーが落ちないように彼女の背を支える。 「取れた」 報告後、身を起こすブルーを支える。 同じくらいのタイミングで、曲が流れだした。 「それじゃ、レッドが歌いたいの決まるまでアタシが歌うね」 なぜか手慣れた手つきで、マイクを構えた。
16 23/08/07(月)01:06:18 No.1087380805
それからしばらく、レッドはブルーの歌声に耳を傾けていた。 透き通るような声。 完璧なリズム。 かわいらしい高い声から重厚感のある低い声まで。 変幻自在の歌声でこちらを楽しませてくれていた。 だが、気になっているところがあった。 「…」 見てる。 歌いながらも、ブルーがこちらを見つめている。
17 23/08/07(月)01:14:32 No.1087382928
歌も、やたらと愛や恋などを意識した歌詞のものばかり選定している。 最初は平気だったが、段々と何らかのプレッシャーを感じ初めてレッドの額に汗が浮かぶ。 「じゃ、そろそろレッドも歌って」 「え!?」 マイクを突きつけられた。 受け取るべきか。 躊躇してる間に曲まで流れ出した。 「え、オレこの曲知らないぞ!?」 「大丈夫。アタシが一緒に歌うから」
18 23/08/07(月)01:19:23 No.1087384133
突き出されたマイクを手にする。 と、マイクごと手を握られる。 彼女の手の温もり。 空調のある部屋でも、その温かさは伝わってくる。 優しい笑みを向けられる。 不安が消えていく。 ブルーとなら、何でもできそうな気がした。 結果は散々だったが。 知らない歌を歌うには、さすがに無理があった。
19 23/08/07(月)01:22:55 No.1087384882
「楽しかったね、レッド」 「ああ、そうだな」 カラオケ店から出て、今度こそ自宅に向かう。 雨は上がって、空には星の光。 ホテル区画から離れると、遮るものがなくなって空が余計に大きく見える。 「綺麗…。 これで花火が上がってたら最高だったんだけど」 「たはは、まあ仕方ないさ」 ボールからプテを出す。 ブルーを抱えて、プテに肩を掴まれる。 「じゃ、帰るか」 「うん」
20 23/08/07(月)01:26:31 No.1087385620
星空に向けて飛び立つ。 周りには広い空。 足元には小さく見える故郷。 腕の中には最愛の女性。 自分たちだけの空間。 花火大会のことは残念だが、こんなことを味わえるのなら悪くはない。 「あ、あの星たち花火みたいに見えない?」 「それは結構無理がないかな」 帰宅するまでの間、他愛のない話をしていた。 抱きしめると、ブルーも返してくれた。
21 23/08/07(月)01:26:44 No.1087385666
以上です 閲覧ありがとうございました
22 23/08/07(月)01:27:36 No.1087385863
元ネタとなるゾロ目スレだと手コキも入ってたんですがそれはちょっととカットさせねいただきました
23 23/08/07(月)01:27:50 No.1087385913
>「午後から降るかもだって」 >「え?」 >ブルーが画面を覗き込む。 >こちらの肩にアゴを乗せて、身を寄せている。 >彼女の腰に手を回し、一緒にメールの内容を見る。 すっげー自然にイチャついてて砂糖吐きそうなんスけど!!!!!
24 23/08/07(月)01:33:26 No.1087387150
>「あ、あの星たち花火みたいに見えない?」 >「それは結構無理がないかな」 この遠慮ない気安さが実にらしい