ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
23/08/05(土)15:36:32 No.1086698395
記憶
1 23/08/05(土)15:36:48 No.1086698482
喪失
2 23/08/05(土)15:37:04 No.1086698572
トレーナー
3 23/08/05(土)15:37:28 No.1086698696
騙して
4 23/08/05(土)15:38:22 No.1086698964
詠ませる
5 23/08/05(土)15:38:48 No.1086699074
突如トレーナーの脳裏に流れ込んできた存在しない記憶…!
6 23/08/05(土)15:43:57 No.1086700616
記憶が戻る前に既成事実
7 23/08/05(土)15:45:54 No.1086701183
入籍も済ませた
8 23/08/05(土)15:49:55 No.1086702364
そして10年後…
9 23/08/05(土)15:57:04 No.1086704460
星降る石畳を踏んで君はゆく。一歩半だけ先を、怒ったように忙しなく。 もろびとこぞる市場の中を、その細い脚で縫うように淀みなく、騒ぐ人波をかきわけて。 店先は光で満ちて、きらめく品々は眩しく鮮やかだ。 甘いホットチョコレートの湯気に、シナモンの香りが乗って夜を温めている。 この冬の日の喧噪の中でその小さな肩を見失わずに済んでいるのは、間違いなく君自身のおかげだった。 「何してんの、はぐれないでよ」 振り向いて、ぶっきらぼうに君は言う。 頷き返すと、すぐに前を向いてしまう。 ただ一歩半だけ先を、それ以上決して引き離さないように、 細心の注意を払いながら君はゆく。 時折、ちらちらと振り返る視線に、気づかないふりをして後を追う。 気づいたことがわかったら、そのとたんにこの聖なる1歩半がぐんと伸びて消えてしまうからだ。 聖夜の月明かりを受けて君はゆく。 1歩半だけ先を、誰よりも優しく慎重に。