虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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  • 泥書く のスレッド詳細

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    23/07/10(月)00:36:07 No.1076854730

    泥書く

    1 23/07/10(月)00:37:19 No.1076855143

    >その才能と気高さを尊敬しているが...余りにも能力の相性が悪すぎて少し敬遠している。 急に呼ばれたかと思えば「別の代の同僚にこう思われてるけどどう?」って…。 別に何とも思ってないわよ。彼女の考えは間違ってないし、むしろ暗殺者として真っ当な感覚をしていると思うわ。 暗殺者にとって最も警戒すべきは自分が暗殺されること。気づかれずに殺す、って状況が基本だとどうしても自分が狙われるってことに鈍くなりやすいもの。 まあそもそもアサシンが真正面からサーヴァントと戦うって状況自体が稀だと思うけど…いやカルデアじゃ日常枠だったわね。忍ぶ気のない人も少なくないし。 …脱線したわね。とにかく何とも思ってないわ。ええ思ってないですとも。暗殺者なんて嫌われて恐れられてなんぼなんだから、敬遠されてちょっと悲しいだなんて思ってるはずがないでしょ。…ないでしょって言ってるじゃない!眼球を燃やされたいの!! こら待ちなさいマスター、せめてにやけ面を戻しなさい!あーもう!!

    2 23/07/10(月)00:40:07 No.1076856050

    大体のハサンに特攻入るからな...裁火さんの宝具

    3 23/07/10(月)00:40:57 No.1076856343

    あっ副会長来てる

    4 23/07/10(月)00:47:22 No.1076858407

    漏らしたマスターの下着乾燥させるみたいなネタがあった記憶があるけど正しい記憶だったか覚えてない

    5 23/07/10(月)00:47:41 No.1076858479

    じょろろろろろろちゃん…

    6 23/07/10(月)00:53:41 No.1076860353

    じょろろろがじょろった原因もアサシンだったな…

    7 23/07/10(月)01:23:47 [1/4] No.1076869024

    空は雲ひとつなく何処までも晴れ渡る。緑豊かな地であれば瑞々しい感動を呼び起こすのだろう。 だが乾いた風が空虚に吹き付ける熱砂の大地では、その蒼穹は地面へ這いつくばる者たちの命を確実に削り取っていく乾きそのものだった。 街と砂漠を隔てる石門の側にぽつんと立っていた砂色の外套は、街の中から音もなく訪れたもうひとりの外套の気配を察して振り返った。 「問題はなさそう?」 挨拶もなく率直に尋ねる。フードを外して顔を顕にした裁火のハサンへ、同じような仕草をした淫蕩のハサンが頷いた。 淫蕩はまともに喋ることができない。しかし裁火は裁火で、180cmを越えてしまう肉体がこの地では少々目立ってしまうものだった。 街の人々の様子を探り、会話を盗み聞くだけならば喋れぬ淫蕩でも造作はない。我らハサン・サッバーハ。そんなことは朝飯前だ。 適切な役割分担による情報交換の後、ふたりは石門を潜って街の中へと侵入した。 街に人気はない───並ぶ家々は常に舞い落ちる微量の砂埃で化粧をされている。 どこか寂寥感を感じる光景だが、そうした土地で生きたふたりには見慣れたものでもあった。

    8 23/07/10(月)01:24:17 [2/4] No.1076869136

    言葉もなくふたりは街路を静静と進む。こういった場所では気配を殺しすぎるのは却って目立つ。ハサンであれば常識だ。 意図的に足裏が砂を擦る音を立てながら、裁火はすぐ前を行く淫蕩をなんとなく見下ろした。 ………どうやらカルデアの演算器はふたりのことを相性がいいと判断しているらしい。こうして組んで偵察に赴く機会は少なくない。 裁火自身、淫蕩と組めるのは歓迎していた。なんせ淫蕩はただ喋れないだけで他のことに関してはかなり器用で細やかだ。 一芸特化で意外と他のことはからっきし、という者が多い歴代ハサンの頭目の中でも淫蕩はかなり潰しの利くハサン・サッバーハだった。 にしても、と裁火は思う。 サーヴァントというのは全盛期の姿で喚び出されるものというが、まったく紛らわしいものだ。 当初淫蕩のまだ10代も半ばを過ぎた程度の頃としか思えない外見に「こんな少女にしか見えないハサンがいたのか」と感じた。 とんでもない。話してみればすぐに気づいた。淫蕩もまた立派に暗殺教団の主を最期の瞬間まで務めた教祖であり、成熟した人物だった。 裁火もまたそうであるのだが、一方で淫蕩の感情豊かな仕草を見ていると感じることもある。

    9 23/07/10(月)01:24:36 [3/4] No.1076869227

    淫蕩は一体どのように暗殺教団の主として君臨していたのだろう。きっと………きっと、慕われていたのだろう。 それは分かる。厳格なれど慈悲深く。冷酷なれど温もりを帯びる。そんなハサン・サッバーハだったに違いない。 裁火はそうはあれなかった。魔神の炎の力を身に帯びたことから自分に厳しく、他人にも厳しくあらねばならなかった。 その炎は全てを傷つける。我らに害を為す者にも、害を為す者を遠ざけようとする我らにも、等しく。だから全てより距離を置かねばならなかった。 そうとも───初代様。仰る通り、私は臆病だったのです。己の力を図りきれず、持て余し、人と繋がることを恐れた弱き心の持ち主でした。 自らがそうであったように、他人に対しても恐れを敷くことでしか教団の理念を守れなかったのです。 ………淫蕩はどうだったのだろう。ハサンの頭目として英霊に数えられている以上、初代様に彼女も首を断たれる栄誉を授かったはずだ。 不思議だ。喋れないハンデを物ともせず人との遣り取りを拒まない優れた彼女に何か不足があるというのだろうか。 彼女は最期の瞬間、初代様にどのような不徳を以て斬られたのだろう───

    10 23/07/10(月)01:24:47 [4/4] No.1076869263

    「───淫蕩の」 ぴたりと歩みを進めようとしていた身体を静止させ、淫蕩に呼びかける。振り返った淫蕩の細面が喋らずとも事態を理解していると語っていた。 マスターの………より正しく言えばマスターのそばにいるキャスターからの念話だ。窮地を告げている。 ここから辿り着くには砂漠を突っ切らねばならないが、砂の地表を往くのは裁火と淫蕩にとってはホームグラウンドを駆けるようなものだった。 「調査は一旦ここまでね。私は急行する。淫蕩の、あなたは後からついてきなさい」 「………」 そう告げれば淫蕩はこくりと頷いた。お互いにハサン・サッバーハだ。優劣はなく、互いにその場で出来る最善を尽くす精神が身に染み付いている。 駆けるのが疾いものはより疾く駆けるべし。遅き者に歩調を合わせてはならぬ。疾き者には疾き者の役割が、遅き者には遅き者の役割がある。 彼女たちが生きた砂漠とは、そんなシンプルなルールこそが生き延びるのに必要な仕組みによって成り立っていた。 裁火は身に満ちるジンの力を励起させた。幸い周囲に人の姿はない───めらりと炎が沸き立つ。 後に続いて急行しようと身構える淫蕩をその場に置いて跳躍した───

    11 23/07/10(月)01:46:12 No.1076874459

    真面目なSSありがたい

    12 23/07/10(月)01:48:40 No.1076874965

    裁火ちゃんはハサンにしてはステ強めだけどコミュ力は弱め 淫蕩ちゃんはハサンにしてもステ弱めだけどコミュ力激強