虹裏img歴史資料館

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23/06/25(日)21:23:12 休日の... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1687695792647.png 23/06/25(日)21:23:12 No.1071598478

休日の昼下り、生徒の数もまちまちな昼休みをシンボリルドルフは生徒会室前の廊下で過ごしていた。彼女の能力は新入生としては驚くべきほど高かったが、同時にその理想も高かった。故に、休日を返上してまで彼女は業務を行っていたのだ。 デビュー前のこの時期にある程度仕事に取り組みやすい状態にしておかねば……と彼女は考えていた。 「やっほ?!ルドルフ、休日出勤かしら? 相変わらず真面目ちゃんね」 「マルゼンスキー……休日だというのに、どうかしたか?」 「んー……ちょっちルドルフに聞いておきたいことがあって」 ルドルフは笑顔とは裏腹にマルゼンスキーが耳を絞っていることに気づいた。つまり、彼女はなにかしらマイナスな感情を抱いているということだ。そして、その原因が自分にあることを彼女は知っていた。 「最近、あたしのトレーナー君と仲がいいみたいだから。お姉さん気になっちゃって」 もっと問い詰めたい気持ちを抑えてマルゼンスキーは尋ねた。生徒が少ない今日を選んだのは、お互いにヒートアップしても影響が出ないように……特に、彼の耳には絶対に入らないようにするためだ。

1 23/06/25(日)21:23:45 No.1071598799

「あぁ。トレーナー君とは"よい関係"を築かせてもらっているよ。それにしても、君はそれを聞くためだけにわざわざ休日に私を尋ねたのか?」 「訂正しておくと、"あたしの"トレーナー君ね。……だってルドルフがあんな顔するなんて珍しいじゃない? そうねぇ……言うなれば、女の顔っていうか」 「それはまた随分と……勝手な表現じゃないだろうか。たしかに、私も彼のことは好ましいと思っているが」 「単刀直入に言いましょうか。あなた、泥棒猫ちゃんなんじゃない?」 ここまで踏み込んで言うのは、逆に言えばマルゼンスキーがシンボリルドルフを信頼している証でもあった。彼女は決して暴力的な手段には出ないし、激しい口論にもならないだろうという信頼だ。そして、その信頼はシンボリルドルフも同じことだった。

2 23/06/25(日)21:24:06 No.1071598978

「ははは。別に彼は君のものと言うわけでもないのに、酷いことを言うな」 「否定はしないのね、やっぱり。あなたのそういうところ、好きよ」 「下手な社交辞令はかえって不愉快だぞ、マルゼンスキー。お互い素直に行こうじゃないか」 「あらそう? じゃあ言うけど、他人のトレーナーにちょっかいを出す前に早く担当になってくれるトレーナーを探したらどうかしら」 その瞬間、思わずルドルフは笑い出した。その様子を見て、マルゼンスキーに嫌な予感がよぎる。 「そのことだけれど……近々彼と正式に契約を交わすことになっているんだ」 「……へぇ。まだ新人なのに二人も担当だなんて大丈夫かしら。心配だわ」 「彼は私の理想に深く共感してくれてね。君と私の両方を担当してみせると言っていたよ」 「はぁ……まったく、ウマ娘たらしなんだから……」 マルゼンスキーは頭を抱えた。彼女のトレーナーはまだ新人であるし、シンボリルドルフの理想は果てしなく高い。しかし、本人がやる気である以上、止めることは難しいだろう。

3 23/06/25(日)21:24:30 No.1071599223

「つまり、君と私は共に競い合うチームメイト……ということになるな」 「それって宣戦布告と受け取っていいのかしら?」 「マルゼンスキー……さっきから君は少々頭に血が上っているんじゃないか? 少し走ってきて頭を冷やすことを薦めるよ。私でよければ併走するかい?」 「やだぁ。デビュー前のあなたを壊しかねないこと出来ないわよ」 「それは随分な自信だな。ちょうど事務作業続きで体を動かしたくなってきたところなんだ。芝1600でどうだろうか?」 「あらら……本気(マジ)ってやつ? ルドルフも大概強引よね~」 今にも二人の間の火花が爆薬に火をつけかねない程にヒートアップを始めたその時だった。渦中にいる彼女たちのトレーナーが通りがかった。 「あれ、ルドルフにマルゼンスキーじゃないか。休日なのにどうしたんだ?」 「あっトレーナー君! 今ね、あたしとルドルフで併走しようって話になったのよ。もうすぐチームメイトになるんだしって」 「あれ、知ってたの? ルドルフが新しく担当になるってこと」 「私から話しておいたよ。マルゼンスキーなら快諾してくれると思ってね」

4 23/06/25(日)21:24:54 No.1071599473

ここでも、駆け引きが行われていた。とはいっても、この時点では圧倒的にルドルフが有利であるが。 「もう、一言でも相談してくれればよかったのに! お姉さん、寂しいわ」 「ごめんごめん。二人なら仲がいいし心配いらないかなと思ってさ」 「君の判断は正しいよ。"私たち"なら上手く切磋琢磨できるだろう」 ここで、完全に路線は決まった。ルドルフが新たに彼の担当となるのは避けられない。 「それじゃあ、グラウンドに行きましょ! "いつも通り"君の応援があればお姉さん頑張れちゃうわ!」 そう言うとマルゼンスキーはトレーナーの腕を自らの腕に絡めて歩き出した。そう、彼女には1年というアドバンテージがあるのだ。 「お手柔らかに頼むよ。トレーナー君もしっかり見ていてくれ」

5 23/06/25(日)21:25:04 No.1071599579

マルゼンスキーは鼻歌を歌いながら、シンボリルドルフは笑みを浮かべながら。闘争心をひた隠しにしながら、彼女たちはグラウンドへ向かう。しかし、ウマ娘にとって走りとは闘争本能の解放。彼女たちはこの先、その闘争心を隠しきれるのだろうか。 原因たるトレーナーはそんなこともつゆ知らず、新しい担当ウマ娘をどのように歓迎するかを考えながらマルゼンスキーに腕を引かれ、グラウンドへと歩くのであった。

6 23/06/25(日)21:25:53 No.1071600015

(楽しそうに走ってるな…帰ろ)

7 23/06/25(日)21:25:54 No.1071600020

こういうちょっとバチバチしてるのが好きなので書きました。 やっぱウマ娘といえば闘争心よ

8 23/06/25(日)21:28:04 No.1071601136

競争欲求強いし譲る気もない女の子いいよね

9 23/06/25(日)21:28:20 No.1071601286

マルゼンスキーがバチバチしてるのいいねぇ…

10 23/06/25(日)21:30:26 No.1071602349

書き込みをした人によって削除されました

11 23/06/25(日)21:36:25 No.1071605681

歳頃の女の子と接する以上これくらい鈍感な方がある意味トレーナーには適任なのかもね…

12 23/06/25(日)21:39:07 No.1071607282

胃が死ぬ いやマルトレなら大丈夫だろうけど…

13 23/06/25(日)21:40:12 No.1071607830

バチバチマルゼンさんは体にいいのでみんなもっと書いてほしいです

14 23/06/25(日)21:40:28 No.1071607966

見続けると胃が痛くなりそうだけど好き…

15 23/06/25(日)21:42:53 No.1071609154

変に繊細なやつにチームもたせたら闘争心に食われそうではある

16 23/06/25(日)22:01:02 No.1071618538

こんだけバチバチやってていつのまにかライトハローさんに掻っ攫われてそう 10年後とかに所詮は学生の駆け引きだったわねって2人でバーで笑ってそう

17 23/06/25(日)22:10:12 No.1071623048

これでいざデビュー!ってときになってどっちかが怪我して一年ずれ込んでまた関係がこじれる

18 23/06/25(日)22:12:20 No.1071624135

マルトレにしろルドトレにしろウマ娘ハーレム作ってもいいくらいにはイケメンだし両方嫁にしよう

19 23/06/25(日)22:13:33 No.1071624790

>マルトレにしろルドトレにしろウマ娘ハーレム作ってもいいくらいにはイケメンだし両方嫁にしよう 無理です…

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