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    23/06/19(月)22:29:33 No.1069381191

    泥揉み

    1 23/06/19(月)22:38:51 No.1069385099

    水底から水面へ浮かび上がるイメージ。私の意識はゆっくりと賦活していった。 未だくらくらと目眩の残る瞼を押し開く。視界に映ったのは白い天井、と─── 「気づきましたか」 紅い瞳が私を見下ろしていた。ぱちぱちと瞬きをし、目覚めた私の様子を検分している。 「セイバー………?」 「あまり喋らない方がいい。湯あたりで身体が疲れています。休んでください」 そっけない態度。そっけない表情。そっけない言葉。けれど細められた瞳がどこか不安げに揺れていた。 仰向けに寝かされたまま横目を振って状況を確かめる。騒がしいバラエティ番組の音。居並ぶマッサージチェア。他の客の交わす雑談。健康ランドの休憩室だ。 それでようやく気がついた。そうだ、サウナで我慢しすぎてまた失神したんだ。火照る身体の理由もそれで分かった。 その温度を冷ますような涼しい風がどこからか吹き付けている。扇風機やエアコンのような無遠慮さでもない。 風向きを目線で辿るとセイバーが団扇で私を扇いでいた。広告代わりに受付で配られている無料のやつだ。 「セイバーが私をここまで運んでくれたの………?」 「はい。無理をしすぎです、ツグミ。身体を厭いください」

    2 23/06/19(月)22:39:03 No.1069385192

    口はどうにか開いたが、頭が熱で蕩けてしまっていて咎めるセイバーの言葉へ言い返せない。 微睡むようにぼんやりとする。長椅子の上に寝かされているみたい。セイバーの上半身が常に視界の中に入っている。 ………ん?では今私の首を支えている柔らかい枕とは───? 「あの、ひょっとして私………セイバーに膝枕されてる………?」 「はい」 至極当然とでも言いたげに、褐色の肌の顔がこくりと頷いた。 低下しかけていた体温が再度上昇。急に気恥ずかしくなってきた………! よくよく見るとセイバーも湯上がりだ。まだ髪がしっとりと濡れている。意識するとリンスの淡く甘い香りがふわりと鼻先をくすぐった。 貸出の浴衣を羽織っているセイバーの姿はこれでもかというくらいエキゾチックな魅力を放っていて私でさえついどきりとしてしまう。 こんな美人に公衆の面前で、膝枕されて、団扇で扇がれて。絶対に悪目立ちしてる! つい起きようと力を込めた私の身体をセイバーがやんわりと押し留めた。 「いけません。もう少し横になっていた方がいい」 ………湯だっているからかな。私の首元に触れたセイバーの指の冷たさが与える心地よさの方が情けなさより勝った。

    3 23/06/19(月)22:57:12 No.1069392796

    すごいストロベリーな空気感を感じる 仲良くなった後だこれ

    4 23/06/19(月)23:04:19 No.1069395619

    最初仲悪いのは後からメチャクチャ仲良くなる前フリみたいなものだから…