23/06/08(木)23:26:20 泥の魔... のスレッド詳細
削除依頼やバグ報告は メールフォーム にお願いします。個人情報、名誉毀損、侵害等については積極的に削除しますので、 メールフォーム より該当URLをご連絡いただけると助かります。
23/06/08(木)23:26:20 No.1065491192
泥の魔法使い
1 23/06/09(金)00:16:43 No.1065507429
魔法使いって居る?
2 23/06/09(金)00:30:55 No.1065511570
「魔女になるだろう」って言われてるのは綺羅星の人くらいしか知らない
3 23/06/09(金)00:36:01 No.1065512927
その中でも実際に魔女になったのはひとりだけ
4 23/06/09(金)00:37:18 No.1065513271
魔女=魔法使いでいいのだったか?
5 23/06/09(金)00:39:32 No.1065513892
>魔女=魔法使いでいいのだったか? 厳密には違うけど実際どういうものかは不明 ただマイ天使の設定を見るに無関係ではなさそう
6 23/06/09(金)00:39:32 No.1065513895
>魔法使いって居る? 番外魔法成立させようとした姉とそらおとの魔法使い見習いで二人かな
7 23/06/09(金)00:39:55 No.1065513981
ジゼパイのジは
8 23/06/09(金)00:40:14 No.1065514066
SS投げるね
9 23/06/09(金)00:40:36 No.1065514160
垢溜まりの魔女曰く魔女=妖精っぽい
10 <a href="mailto:1/6">23/06/09(金)00:40:51</a> [1/6] No.1065514239
───まったく、全然、これっぽっちも気に入らない。 睨みつけながらトーストにかぶりつく。苛つきに任せてイチゴのジャムをべたべたと塗りたくったせいで殺人的に甘ったるい。 常食の赤飯を切らしていたのを失念していたのも理由のひとつだけれど、最たる理由は私の視線の先にいる。 リビングのソファにはおそろしく場違いな存在が座っていた。そもそもこの家に私以外の人がいること自体が稀だが、そんなことが気に留まらないくらい異様な存在感を放っていた。 内側だけ真っ青な、上品な染め糸にも似た黒髪。舐めれば甘そうなほど艶のあるチョコレート色の肌。物凄い美人だ。それすらどうでもいい。 その麗人は鈍い輝きを放つ鋼鉄を身に纏っている。端的に言えば、鎧姿だった。21世紀になってもう何年も経ったというこの現代に。 まるで演劇の役者と見紛うような格好だけれど、そういう『鎧に着られている』感じは全く無い。完全に着こなしている。まるで普段着のように………いや、彼女にとっては普段着なんだろうけれど。 駄目だ。うちのリビングに似合わないにも程がある。私が喚び出したその女騎士は背筋を伸ばした楚々とした姿勢で漫然とテレビを見つめていた。
11 23/06/09(金)00:40:56 No.1065514263
北前
12 <a href="mailto:2/6">23/06/09(金)00:41:01</a> [2/6] No.1065514287
青白く光る画面は朝のニュース番組を映している。日本の何処かで梅の花がどうのこうの。心底どうでもいい。 私が右から左へ聞き流しているニュースを女騎士───セイバーは食い入るように見て………ううん、そんなことなさそう。 画面こそ眼球に映しているけれど表情は相変わらず能面だ。にこりともせず、眉一つ動かさず、氷像のよう。愛想というものが致命的に欠けている。 それは私が彼女を召喚してから一瞬たりとも変わらない姿だった。そう、あの一言を口にした時も。 ───『私はあなたを好かない』─── くしゃり、と手元で軽薄な音がして我に返った。 「あ………」 トーストを摘んでいたあたりがぎゅうぎゅうに圧縮されてぺちゃんこになっている。知らず知らずのうちに力が入っていたみたい。 そうだ。朝から視界に入る世界の全てに憎しみが抱けそうなくらい苛立っているのも、こうしてトーストの端っこが潰れたのも、みんなあのセイバーが悪い。 命令には従う。戦いもする。けれど私に対しては好意を持たないし興味も持たない。ただ聖杯を得るための剣として扱えば良い。 いきなりだ。ずっと無口でいたかと思えば、口を開いて言ったことはいきなりそれ。
13 <a href="mailto:3/6">23/06/09(金)00:41:11</a> [3/6] No.1065514330
面と向かって嫌いだなんて言われたのは初めての経験だ。こんなに腸が煮えくり返るようなことだったなんて初めて知った。知りたくなかった。 セイバーはそれきり私へ不干渉を貫き続けている。何をするでもなく、ソファに座ってまるで置物のように動かない。 テレビを見ているのだってたまたま私が朝食を摂るのに雑音が欲しくてスイッチを入れたものを目にしてるだけで、見たくて見ているという素振りではない。 気に入らない。電源の切れたロボットみたいに微動だにしないのに、私に対する冷ややかな態度だけは確かに伝わってくる。それが髪の毛が逆立ちそうなくらい気に入らない。 ………絶対に私の方へ振り向かせてやる。私が魔術師として結果を出せばあいつだって認めざるを得ないはず。 決意を胸に秘めた私は平たくなったトーストの欠片を口の中に放り込み、キッチンテーブルから勢いよく立ち上がる。 シンクへパン屑の積もった皿を適当に置く。皿1枚さえ今は洗う気になれなかった。帰ってからすればいいや、たかだかこれっぽっちだし。 手早く歯を磨き、髪を梳かし、鏡の中で完璧な自分を作り、通学用のカバンを引っ掴んで乱暴な足取りで玄関へと向かおうとする。
14 <a href="mailto:4/6">23/06/09(金)00:41:22</a> [4/6] No.1065514368
厚顔なあのサーヴァントには挨拶する気も起きなかった。昨晩のこともあって今日は寝坊気味だ。急がなきゃ………。 そうして玄関でローファーに足の指の先を突っ込んだ時のことだった。 かちり、という金属の音が背後でした。あまりにも密やかな音だったもので一瞬聞き違えかと思ったくらい。 「え………セイ、バー………?」 「はい、マスター」 振り返り、つい怒りも忘れてぽかんと尋ねてしまう。 全く私に興味がないのかと思っていたのが半分。もう半分は、鋼と鋼のパーツを緻密に重ね合わせた積層鎧の格好なのにたったそれだけしか金音が立たなかったこと。どういう身のこなしをしてるんだろう………。 廊下に立っていたセイバーは仏頂面のまま、あの宝石のように鮮やかな赤い瞳をぱちぱちと瞬かせている。特別なことをしているつもりはない、とでも言いたげに。 まるで私を待っているかのように黙っているセイバーの意図をすぐには飲み込めなかった。それが5秒くらいの話。はたと思い至ってしまった。───ひょっとして。 「まさか、ついてくる気!?」 「出立するのでしたら護衛を行います」 「その格好で!?」 「霊体化が不可能ですので仕方ありません」
15 <a href="mailto:5/6">23/06/09(金)00:41:32</a> [5/6] No.1065514422
───いや。いやいやいや。ちょっと待って。 公輪さんちの娘さん、時代錯誤な鎧姿の女の人を連れて街を練り歩いていましたよ、なんて噂が立ったらそれこそ聖杯戦争どころじゃない………!社会的な死、待ったなし! セイバーは表情を変えない。おかしなことを言ったつもりはないんだろう。マスターを守るというそれはサーヴァントとしては正しいんだろうけれど………。 「セ、セイバーはうちにいて!神秘は隠匿するもの!日中に堂々とサーヴァントで攻撃してくるような魔術師なんてマスター同士でもまずいないよ!」 「………」 一瞬、セイバーが言い淀んだのが分かった。本当に一瞬。瞬きするくらいの僅かな時間。 何を伝えようとしたのか。どんな意思があったのか。分からない。わけが知りたい、と思う前にセイバーは私の指示に応じた返答を返していた。 「分かりました。では待機します。入用でしたら呼びつけてください」 そう言い残すと、セイバーは私から興味を失ったかのようにくるりと背を向けて廊下をゆっくりと歩いていく。 長い黒髪に覆われたその背中が見えなくなるまで玄関から見ていたけれど、やはり鎧と鎧が擦れる金属音は私の耳には聞こえなかった。
16 <a href="mailto:6/6">23/06/09(金)00:41:46</a> [6/6] No.1065514481
やがて玄関へ向かう廊下には私以外誰もいなくなる。しんと静まる空気の中、胸中の違和感に気づいた。 あれ。どうして私はがっかりとした気持ちになっているんだろう。 そんな感情を持つ理由はない。あのセイバーは私を嫌っている。私もあのサーヴァントは嫌いだ。互いに交換すべき思いは何処にもない。 なのに、今のやり取りを惜しんで残念に思う心がふわふわと取り留めもなく漂っていた。曖昧模糊として掴めば五指の隙間から逃れていきそうで、でもそこにあることを否みきれない。 刹那の間だけセイバーが浮かべていた表情を思い返す。表情筋はまるで動いていない無表情。その顔は昨晩散々睨みつけたからよく覚えている。 でも、今のそれはどこか違ったような。そう、あれは嫌悪感ではなく、もっと別の─── 「………言いたいことがあったなら言えばよかったのに」 ぽつりと独り言を呟き、その場に淀んだ思いを振り切るようにして私は玄関の扉を開けた。 「っ、眩し───」 薄暗いところから一転、朝の日差しが目に飛び込んできてその明るさについ目を細める。そして瞼の裏に幻視した。 昨晩の出来事。後にそれは運命だったと知る、聖杯戦争の始まりの夜を───
17 23/06/09(金)00:42:31 No.1065514663
誰?というかどの企画だ?
18 23/06/09(金)00:46:38 No.1065515631
SNっぽいから三年…… シン・SNっぽい企画――――始動 https://seesaawiki.jp/kagemiya/d/Fate/Empty%20Heart coming soon...
19 23/06/09(金)00:46:52 No.1065515692
新しい企画?っぽいページが!
20 23/06/09(金)00:50:50 No.1065516810
シン・SNっぽい… 2023年に初めて聖杯戦争が行われた世界線かな?
21 23/06/09(金)00:52:07 No.1065517150
SSから読み取れる情報は… セイバーは褐色!
22 23/06/09(金)00:55:41 No.1065517946
とうとう舞台の名前にカゲミヤが使われたのか
23 23/06/09(金)00:56:15 No.1065518068
褐色はいい 心が洗われる
24 23/06/09(金)00:56:22 No.1065518098
つまりセイバーと主人公は募集なし?
25 23/06/09(金)00:57:55 No.1065518439
影宮市は以前あった影之宮市と同じか気になるぜ
26 23/06/09(金)00:58:04 No.1065518473
影宮市、星の降る夜に、七つの器、生贄、神、八つの█、霊樹 、災い、或いは██、九つの█、血の呪縛、訣別 キーワードっぽいけどなんだろうね
27 23/06/09(金)00:58:40 No.1065518612
>ジゼパイのジは ジ・アゴニストいいよね、こないだ解散しちゃったのが残念だよのジだよステフ
28 23/06/09(金)00:59:58 No.1065518908
>災い、或いは██ これは災い、或いは祝福と見たね
29 23/06/09(金)01:00:46 No.1065519098
>祝福 誰かが描いたイメージじゃなくて
30 23/06/09(金)01:01:37 No.1065519302
誰かが選んだステージじゃなくて