23/05/26(金)23:09:06 秋の天... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1685110146550.png 23/05/26(金)23:09:06 No.1061133266
秋の天皇賞以降、彼女はどこか虚ろだった。 あの日、誰よりも速くゴール版を駆け抜けた彼女は、そのままターフの上に倒れ込んだ。静止する係員を無視して思わず彼女を抱き上げたとき、彼女が今まで見た中で一番幸せそうな笑顔をしていたのを今でも覚えている。 幸い、脚に異常はなかった。ただ、疲労の蓄積は認められるのでしばらくは安静に、とのことだった。 休養している期間、彼女は本当にもどかしそうだった。いつも、同じ学園内で元気に走り回っているウマ娘たちをじっと羨ましそうな目で見ていた。 しかし、彼女は医師から許可が下りるまで走るのをこらえた。あの何よりも走ることを考えていたサイレンススズカが、である。 「だって、私が怪我したらトレーナーさんも悲しむじゃないですか」 彼女はほほえみながら、そう言った。まるで子供を相手にする母親のようだった。 休養期間は終わり、練習を再開した。もちろん、負荷をかけすぎない程度にだ。
1 23/05/26(金)23:09:37 No.1061133478
だが、走れるようになっても彼女はどこかおかしかった。走り終えると、いつも遠くを見つめるように思案にふけっているし、ときおりこちらを見つめては首を傾げている。何か気になることがあるのかと尋ねても、空返事をするだけで釈然としない。 「もしかして……いや、でもやっぱり……」 練習終わりのトレーナー室。彼女はいつものクセで左回りに回転しながら何かを呟いていた。 「スズカ……やっぱりどこか悪いんじゃないか? なにかあるなら必ず報告してくれよ。またあんな思いするのはゴメンだからな」 「……!! トレーナーさん。もし私が怪我したりどこか遠いところに行ってしまったら……嫌ですか?」 「嫌に決まってるだろ! 頼むから一人だけで行かないでくれ……」 情けない嘆願だったが、俺の心からの思いだった。あのレース以降、彼女はまるで何処かへ消えてしまいそうな。そんな雰囲気があったのだ。 「そっか……そうだったんですね。こんなに近くにあったんだ……」
2 23/05/26(金)23:09:55 No.1061133617
彼女はうわ言のように何かを繰り返す。やはり様子がおかしいと思った俺は、彼女を保健室へ連れて行こうとドアに向かう……その瞬間、彼女に腕をグイッと引き寄せられる。 ウマ娘の腕力に不意をつかれた俺は一瞬、完全に脱力した無防備な状態になり、スズカに声をかけようとした瞬間には彼女の追撃でソファーへと沈み込んでいた。 「……スズカ、一体何を?」 「あの日、走り終わったあと……誰よりも先頭で景色を見て……すごく気持ちがよくて。それに、その後、私をトレーナーさんが迎えに来てくれて。私、すごく満たされてたんです。またあの感覚が欲しいって何度も思って……」 ソファーへ押し倒した俺に跨るように彼女は座り込んだ。こちらの抵抗を許さぬまま、その細い指で、蝕むように体を弄る。 「あの景色は……レースで得られるものとはまた違ったんです。……もちろん、どっちも素敵ですけど。けど、私が欲しいものはなかなか見つからなくて。けど、もう大丈夫です」 「スズカ、とりあえず保健室へ行こう。今の君は普通じゃない」 「私はちゃんと健康ですよ? ただ、トレーナーさんに求めてもらいたいだけで」
3 23/05/26(金)23:10:26 No.1061133848
ふぅ、と彼女の吐息が耳にかかった。彼女は身体を倒し、こちらの耳元に口を寄せる。 「あの日、トレーナーさんが私の名前を何度も呼んで、逃さないって言うように体を抱きしめてくれて。あの日感じたあの感覚、あの景色はトレーナーさんのおかげなんです」 こちらからは彼女の顔を見ることができない。だが、耳元から聞こえる彼女の声は喜びに満ち溢れていた。 「トレーナーさん、震えてますね。でも、怖いんじゃないんですよね? むしろ、私と同じで気持ちいい感覚で……」 「スズカ。もうやめよう。このままじゃ良くない」 「やめませんよ。だって、もう手に入るって分かっちゃいましたから。……トレーナーさんが、私のことを欲しいって言ってくれるまで、やめません」 彼女は上半身を起こし、上から見下ろす形でこちらを見つめる。その表情は、走り終えたときのような満足感に満ちていた。 「もう一度……触れさせてください。私を求めて、私だけを見ていてください」
4 23/05/26(金)23:10:44 No.1061133990
俺は彼女の顔に見惚れてしまって、まるで蛇に睨まれた蛙のように固まっていた。 吹き飛びかけていた理性が戻ってきて、彼女を諌めようと口を開けたその時、口元に生暖かい感触。脳が状況を処理するよりも早く襲ってくる、暴力的な情報の波。口、舌、耳、俺の体のすべて。すべてが彼女に弄ばれていた。 「……まだまだ、我慢できますよね?」 「スズカ、もうこれ以上は……!」 「ふふっ。トレーナーさんがおねだりしてくれるまで、まだまだ楽しめそう」 どれほど時間が経っただろう。俺は、彼女によってドロドロに溶かされてしまった泥のような思考の中で、あの日のことを思い出していた。 あの日、一体彼女はどんな景色を見たのだろう。 少しでも、同じ景色を見たくて。どこか消え去っていきそうな彼女を繋ぎ止めておきたくて。思わず彼女に手を伸ばした。 すると、彼女はそれを迎えるかのように優しく両手で受け止めた。すると、やはり彼女は母親のように微笑んで言った。 「確かめましょう。二人で。あの日、私たちが見たものを」 その日、俺たちは震える手で新しい世界に触れてみたのだった。
5 23/05/26(金)23:10:58 No.1061134085
インモラルなスズカさんが見たくなったので書きました。
6 23/05/26(金)23:16:10 No.1061136225
うまぴょいしたんか!
7 23/05/26(金)23:28:18 No.1061140826
スズカの細い身体抱けたら最高だろうな
8 23/05/26(金)23:33:49 No.1061142760
相手を支配しているように見えても 心臓は早鐘のように弾んでいて 白く細い体にうっすらと汗を帯びていて…
9 23/05/26(金)23:34:24 No.1061142976
このルート大丈夫? えっちなシーン見たら強制バッドエンド直行するやつじゃない?
10 23/05/26(金)23:44:32 No.1061146403
まずスズカに相手を攻めるような性知識があるという事実に興奮する
11 23/05/27(土)00:00:31 No.1061151981
あるに決まってるじゃないか もちろんしかるべきタイミングでトレーナーを手籠めにするよ
12 23/05/27(土)00:02:35 No.1061152747
先頭の景色の先を見つけちゃったスズカさんいいね…
13 23/05/27(土)00:21:29 No.1061158858
お母さんになりたがっている…