23/05/13(土)23:39:25 「さく... のスレッド詳細
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23/05/13(土)23:39:25 No.1056867779
「さくらんぼ、か?」 「うむ。美味しそうだろう?」 休日の朝、突然の来訪。それだけでも何事かと思ったのに、彼女が手に持っていたものを見てさらにわけがわからなくなった シャフリヤールが意気揚々と持ってきたバスケットの中からは、甘い香りが漂っている。そこに詰まっていたのは、傷も無く綺麗なさくらんぼの山 一体どういうことなのか。問いかけようとしたら、彼女は自慢げに自分から話しだした 「うむ!!実はこの間、通りがかったご老人が腰を痛めているのを助けてな!!」 「ああ、そういえばそんなこともあったな」 数日前、集まりに遅れたシャフリヤールがそんなことを語っていたのを思い出す
1 23/05/13(土)23:39:36 No.1056867849
「その時のご老人の旦那殿が先ほどトレセン学園を訪れてな!!お礼にと頂いてしまった余!!」 「それはわかったが………随分立派なさくらんぼだな」 「どうやら農家の方々らしい。今年のは自慢の出来だと語っておった余!!」 なるほど。そういうことなら納得だ 変な話、こんな立派なさくらんぼそこらの店でもなかなか見かける物じゃない 自慢の出来、というのも頷ける。それをいただけるというのも、彼女自身の善行の賜物だろう 「さあ、一緒に食べよう余エフフォーリア!!余はもう我慢できぬのだ!!」 「……俺もか?」 どういうことだろうか。今回の件、俺は特に何もしていないどころか話で聞いただけだ なのに、俺にまで分けてくれるという。すると、シャフリヤールはにっこり、花が咲いたように笑って 「仲のいい子と一緒に食べて、と仰っておった!!故にエフフォーリア、余と一緒にこの季節の果実を楽しもう余!!」
2 23/05/13(土)23:39:50 No.1056867930
………その笑顔に、思わずくらりとしてしまう。耐えろ、耐えろ俺。よし、大丈夫だ まったく、無邪気なものだ。毎度毎度、この笑顔には有無を言わさず負けてしまっている気がしないでもない だが、別に勝つ必要も………まぁ、ないだろう そういうことなら、断る理由もないというものだ 「ああ、なら頂こう。少し待っていてくれ。手を洗ってくる」 読みかけの小説をパタンと畳んでそう告げると、彼女は満足そうにうむ!と笑って 「待っておるぞ!!というか早くするのだ余!!待ちきれぬ!!」 「………先に食べていてもいいぞ」 「それは駄目だ余!!」 そこでむくれるのは、何故なのか
3 23/05/13(土)23:40:02 No.1056868002
● どうしてこうなったのか 「ほれ、あーんだ余」 ニマニマ笑いながら、さくらんぼをこちらに向かって差し出してくるシャフリヤールに言葉が出ない 先ほどまで、そのとても甘く香り高いさくらんぼを二人で堪能していたのに。なぜ、こんな状況に 「ほれほれ、どうしたエフフォーリア。早く食べてくれぬと、余も次に進めぬ余?」 完全に楽しんでいる。それはわかる。彼女の表情からはっきりと読み取れる しかし、なぜ………いわゆる、その、『あーん』が始まったのか。そのきっかけは思い出せない 分かるのは、それが始まってから俺は固まってしまってばかりで、何一つ身動きが取れていないという事実だけだった
4 23/05/13(土)23:40:14 No.1056868070
「………しゃ、シャフリヤー」 ようやく口を動かして、なんとか言葉を紡ごうとした時 「隙ありだ余」 僅かに開いた口に、さくらんぼが突っ込まれる いや、それだけならいい。しかし、俺の唇はそれ以外の感触も感じてしまった 今の細く柔らかい感触は、シャフリヤールの、指が……… 「………っ」 「?どうした余、そんなに余の手ずからが美味しかったか?」 それは、否定できないのだが 一瞬その柔らかな感触を反芻して意識が飛びかけたが、何とか耐えた。俺の理性も少しずつ成長している。この程度で打ち砕かれてなるものか。やわらかかった
5 23/05/13(土)23:40:24 No.1056868120
「では、次はそっちの番だ余」 そう言って「あー」と、まるでひな鳥のように口を開けるシャフリヤール その小さな口と、白い歯。綺麗な舌。美しい唇。それらが改めてまじまじと見えるその状況に心臓が高鳴る 俺は、何を。この程度の事、今まで何度も見てきただろう。なにもおかしなことなどないのだ 「………………」 息を飲み、さくらんぼを一つ手に取る 早く、終わらせねば。このままでは俺の心臓がもたない そっと、さくらんぼを差し出して。彼女の口の中に静かにさくらんぼを差し入れる そのまま手を引こうとした、瞬間 「あむっ」 「!?」
6 23/05/13(土)23:40:40 No.1056868217
そのままいきなり口を閉じたシャフリヤールに驚いて、手を引いてしまう 一瞬唇に当たって柔かくていやそうじゃなくて 「………んー!!やはり甘美だ余!!このような出来の果実、早々出会えぬ!!」 通販やっとるかのー、なんて言いながら口をもごもごさせるシャフリヤールだが、ちょっと待て 「お、おい。今ヘタも一緒に………」 「んー………少々待て。なかなか難し………んぐんぐ」 種を吐き出したのはわかったが、何故かずっと口をもごもごさせている彼女に怪訝な顔を向ける なんだ、何をしているのか。彼女と一緒にいるとこんな突拍子もない事は割といつものことではあるが、さっぱりわからない そんな風に彼女の次のリアクションを待っていると、シャフリヤールはにまっと笑みを浮かべた
7 23/05/13(土)23:40:55 No.1056868317
「ふっふっふ。知っておるか余エフフォーリア。さくらんぼのヘタの話」 「………なんだそれは。ヘタは食べる物じゃないだろう」 「無論だ余!!余はそんな悪食ではない!!」 ではなんなのか。一瞬心外だと言わんばかりにキシャーっと睨みつけてきた彼女はすぐに笑顔に戻る 「さくらんぼのヘタをだな。ほれ」 すると、次の瞬間………彼女は、その綺麗な舌を、べーっと。こちらに突き出すように、見せつけてきた その上には、さくらんぼのヘタ。しかしどこかおかしい よくよく見てみれば、それは綺麗に結ばれていた なんだ、口の中で結んだというのか。そんなこと、なぜ そこまで考えて……以前、誰かが言っていた俗説が頭をよぎって。俺は、また体が固まるのが分かった そのヘタを手に取って、シャフリヤールは得意気に笑う
8 23/05/13(土)23:41:11 No.1056868426
「ふっふっふ。さくらんぼのヘタを舌だけで結べるのはな。口付けが達者な証拠だという!!」 ドーン、とでも擬音が付きそうなほどに。彼女は自慢げで 「この程度の事、余にかかればお茶の子さいさいというものだ余!!」 いや待て。なぜ、それを 今俺に、見せつけてきた 「お主も試してみるといい余、エフフォーリア。何事も挑戦………ふむ」 思考が完全に停止して指先一本動かないこちらを尻目に、彼女はゆっくりと近寄ってきて その唇に人差し指を当てて、妖しく微笑んだ 「それとも、どうだ?こちらで味わってみるか余?」
9 23/05/13(土)23:41:25 No.1056868506
それが、トリガーになった 「………ふん!!!!!」 「ちょ、おわぁ!!!え、エフフォーリア!?」 彼女に対しての邪な考えが爆発的に湧いて出た自身の頭を、握り固めた拳で撃ち抜く 意識が遠のく。どうやら………試みは、成功のようだ 「な、なにをしておる!!この程度で自ら意識を絶つな!!」 彼女の声が段々遠くなる。メディーック、メディーックと叫んでいるようだが………もうあまり意味も分からない 「ええい、最近耐性が付いてきたかと思ったら………しっかりせよ、エフフォーリア!!!」
10 23/05/13(土)23:41:37 No.1056868566
えふふぉーりあー!!と、俺の名を呼ぶ声だけははっきりわかったが 残念ながら、反応は返せない 彼女に対して抱いてしまった邪な考えと卑猥な欲望のその全てを道連れにして、俺の意識は闇に沈んでいく。ああ、これも久しぶりだな……… 沈みゆく意識の中で、ただ一つ思うのは (唇、やわらかかったな………) やはり消しきれない、邪な考えだった
11 23/05/13(土)23:41:56 No.1056868682
以上。お題貰ったので酒飲んでエフ余した
12 23/05/13(土)23:47:17 No.1056870538
大帝と童帝だな…
13 23/05/13(土)23:49:38 No.1056871343
童貞にキス待ち顔は威力過剰か
14 23/05/13(土)23:55:28 No.1056873289
小悪魔大帝いいよね
15 23/05/14(日)00:01:49 No.1056875350
童貞丸出しエフフくんはいつになれば踏み出せるのか
16 23/05/14(日)00:08:24 No.1056877642
エフフは過剰に自身を律してるだけで欲望自体は結構強そうなイメージ
17 23/05/14(日)00:13:25 No.1056879357
>大帝と童帝だな… まさにチェリーだな…
18 23/05/14(日)00:14:39 No.1056879747
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
19 23/05/14(日)00:17:43 No.1056880753
>No.1056879747 童貞にこれはキツい
20 23/05/14(日)00:20:15 No.1056881615
>No.1056879747 多分この感触を数日間は反芻してる
21 23/05/14(日)00:22:14 No.1056882260
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
22 23/05/14(日)00:22:54 No.1056882521
それ以降余の唇見るたびに思い出して自分の頭撃ち抜いてそう
23 23/05/14(日)00:24:12 No.1056882911
>No.1056882260 こんなのエフフじゃなくても堕ちるだろ…大帝エロい
24 23/05/14(日)00:24:50 No.1056883131
手描きありがてえ…
25 23/05/14(日)00:28:55 No.1056884308
>No.1056882260 これは小悪魔
26 23/05/14(日)00:38:18 No.1056887194
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
27 23/05/14(日)00:40:57 No.1056888093
>No.1056887194 エッロ………
28 23/05/14(日)00:42:10 No.1056888481
指ちゅぱいい…
29 23/05/14(日)00:45:13 No.1056889416
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
30 23/05/14(日)00:46:25 No.1056889755
>No.1056889416 堕ちる数秒前 なお強制シャットアウト
31 23/05/14(日)00:47:09 No.1056890029
>No.1056889416 こっちはこっちでエロいな…
32 23/05/14(日)00:55:39 No.1056892837
もうこれお互いに分かってやってますよね…?
33 23/05/14(日)00:57:07 No.1056893278
>もうこれお互いに分かってやってますよね…? どちらかが堕ちるまで続く応酬
34 23/05/14(日)00:57:50 No.1056893469
後で事の顛末を聞いてなんかカチンとくるタイホちゃん