虹裏img歴史資料館

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23/05/13(土)00:23:18 ※ふわふ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1683904998339.png 23/05/13(土)00:23:18 No.1056553194

※ふわふわの妖精じゃありません 「酷い雨ね…」  窓を打つ雨粒の勢いは強く、パチパチと爆ぜる音が嫌でも耳に入る。野外トレーニングは勿論の事中止になり、プールや体育館、トレーニングジムとダンスのレッスン室へと詰めかけるウマ娘で何処も彼処もごった返していた  落ち着いてトレーニングのしようが無いのでアドマイヤベガはぼんやりと校内の散歩に勤しんでいた。空気が冷えている  窓が結露しているのが見えた。今日もきっと布団乾燥機が活躍する事だろう。そんな事をぼんやりと考えていると苦しそうに壁に寄り掛かっている一人のトレーナーが居た 「…貴方、どうしたの。随分と苦しそうだけど」 「君は…アドマイヤベガかい? この酷い低気圧で頭痛が苦しくてね…今にも吐いてしまいそうだよ」   トレーナーはそう話ながら苦しげに息を吐いた。その姿は妙にアドマイヤベガには放って置けない物があった 「保健室まで付き添うわ」 「すまない…」

1 23/05/13(土)00:24:14 No.1056553481

 保健室はチラホラと体を休ませているウマ娘達が居た。恐らくは殆どがこの強い雨を降らせている低気圧にやられているのだろう。  アドマイヤベガは空いているベッドにトレーナーを導き、暫し待つように言った。そして… 「はい、コレを…」  アドマイヤベガは暖かく柔らかな布団を持ってきた。 「これは…?」 「最近は体を冷やした子達の為に暖かい布団が用意出来るのよ。被って横に成りなさい」  トレーナーは言われるが侭に布団を被って横になった。アドマイヤベガはそのまま立ち去るでも無く、彼を見守った。 「…姉さんを思い出すな」 「姉さん…?」 「ああ…僕は姉さんの後ろを何時も追い掛けて走り回っては、汗で体を冷やしたものさ…そして何時も布団を被せられてね…」  そう言う彼は小さく微笑み、ボンヤリと目を瞑った。

2 23/05/13(土)00:24:36 No.1056553575

「…暖かい…眠れそうだ…ありがとう、アドマイヤベガ…」 「どう致しまして…」  それからものの数分とせず、彼は寝息を立て始めた。アドマイヤベガはそれを見ると小さな安心感を感じた、然し… 「…姉さん…置いてかないで…いや、だ…」  ポツリと漏れる、トレーナーの悲しげな声。アドマイヤベガは理解した。彼も『置いていかれた』存在なのだと  アドマイヤベガは徐にポケットを弄ると、星を模った耳飾りを手にし、トレーナーの手を握った 「…大丈夫よ。此処に来たのなら、貴方の悲しみは溶け落ちる筈だから…女神の導きの侭に…」  そう言うと、アドマイヤベガは耳飾りをトレーナーの胸に置いて立ち去っていった。  …トレーナーは夢を見ていた。生前、よく元気に走り回っていた姉と過ごした日々の夢を。だがそれは彼の記憶と幾らか違った。

3 23/05/13(土)00:24:55 No.1056553662

 嘗てはその後ろ姿とヒラヒラと揺れる尾を見てばかりだったが、その夢では姉の隣に立って、姉と共に、姉と同じ世界を見ていた。開けた世界。前に在った物が後ろへと飛んでいく世界。風に包まれた世界。【憧れていた世界】が其処にはあった。そして… 『待ってるから』夢の中でトレーナーの姉はそう言うと、耳飾りを握った手を優しく差し出した。トレーナーは恐る恐るソレを受け取ると、まるで泡に溶ける様に夢は消えていった 「…んぅ…?」  目を擦る。気が付くと時刻は既に夕方らしい。窓からオレンジ色の夕日が差し込んでいた。雨も晴れたようだ。 「んんん…はぁ…」  体を起こし、背伸びをする。痒くなった頭のウマ耳を搔いてボンヤリした。酷く、懐かしい夢を見た気がする。【姉の隣で一緒に走り回った】夢を見た気がする。  お腹の辺りに転がっていた星を模った耳飾りをそっと手にして、少女は窓から差し込む夕日をボンヤリと眺めた。

4 23/05/13(土)00:25:18 No.1056553771

「失礼します」  保健室に入ってくる声。それはアドマイヤベガだ。コツコツと内履きを鳴らしながら彼女は少女の元へと近付いた。 「頭痛は大丈夫?」 「はい」 「そう、良かった。ほら、寮へ帰るわよ。髪も尾も湿度でボサボサだからブラッシングしないといけないわね」 「何も其処までしなくても…」  少女は照れ臭そうにそう言って、アドマイヤベガは 「貴方は数居る私の可愛い妹の一人よ。姉は可愛い妹を可愛がる物よ。違うかしら?」  そう言いながら、星を模った耳飾りを少女の左耳に取り付けた。背筋がぶるりとしたが、嫌な感じでは無かった。 「ほら、カレンさんも外で待ってるから行きましょう」 「…はい、お姉ちゃん」  呟く言葉は緩く空気に溶けていった。宵の明星が、優しく彼女達を見守っている。

5 <a href="mailto:終わり">23/05/13(土)00:26:07</a> [終わり] No.1056553995

TSしてアヤベお姉ちゃんにカレンチャンと一緒に甘えたかった

6 23/05/13(土)00:30:04 No.1056555085

何だい最近は…トレーナーがまた1人消えたそうじゃないか…

7 23/05/13(土)00:33:26 No.1056556050

妹の一人って事は複数妹化させてる…?

8 <a href="mailto:s">23/05/13(土)00:36:39</a> [s] No.1056557019

>妹の一人って事は複数妹化させてる…? お姉ちゃん生活を満喫してるアヤベさんって事にしておいて下さい

9 23/05/13(土)00:43:22 No.1056558904

なんでTS怪文書が流行ってるんだ…!

10 23/05/13(土)00:45:44 No.1056559509

アヤベさんのトレーナーじゃないからトレーナーが突然消えたウマ娘がいる…?

11 23/05/13(土)00:47:45 No.1056560052

>アヤベさんのトレーナーじゃないからトレーナーが突然消えたウマ娘がいる…? でえじょぶだ 三女神マッチングアプリが動く

12 23/05/13(土)00:49:59 No.1056560660

色々改変されてるし深く考えると怖いけど大好きなお姉ちゃんがそばにいるからいいか…

13 <a href="mailto:トレーナー姉">23/05/13(土)00:57:33</a> [トレーナー姉] No.1056562695

NTRじゃない…!

14 23/05/13(土)01:01:12 No.1056563568

自分モチーフの耳飾りを本人手ずから左耳に付けられるのいいよね…

15 23/05/13(土)01:34:29 No.1056571148

>※ふわふわの妖精じゃありません 注釈で笑っちゃった

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