虹裏img歴史資料館

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23/05/09(火)23:31:42 「ここ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1683642702998.jpg 23/05/09(火)23:31:42 No.1055628400

「ここは……」 気が付いたら、見知らぬ場所に立っていた。 果てしなく広がる緑の平原。どこまでも続く星空。聞こえる音は駆け抜ける風の音だけ。髪も風に靡いている。なのに、肌には何も感じない。寒いとも暑いとも思えない。この世のものとは思えない光景が目の前にある。 ここは何処なのか。どうやってここに来たのかも覚えていない。俺は夢でも見ているのか。そして。 「ダメだよ、トレーナーさん。ホントにダメダメ!」 目の前でプンプンと怒り心頭な、俺の担当ウマ娘にそっくりな子は誰なのか。

1 23/05/09(火)23:32:36 No.1055628695

アヤベと寸分違わず同じ見た目の少女。しかし、何故だか不思議とわかる。目の前の彼女は、アヤベとは違う存在だ。 「道を歩く時に自然と道路側を歩いたり、エスコートしてたのはマル。お姉ちゃんが好きそうな自然豊かなデートコースを選んだのはニジュウマル!」 そして何故だか、彼女に今日のお出かけの内容を批評されている。確かに俺はさっきまでアヤベとお出かけしていた。次のレースに向けての気分転換になると思って彼女を誘った。だけど、それはデートと呼べるのだろうか? 「でもカフェでコーヒーを頼んだのはバツ! 何でらぶらぶはちみーシェアを頼まなかったの?」 確かに、途中で寄ったカフェでアヤベが物珍しげに眺めていたメニューがあった。2本のストローがハートの形に絡み合ったドリンクだ。だけど俺とアヤベはアレを頼むような間柄ではないし、頼んだとしても、眉根を寄せて口をへの字にされていただろう。 「それにお姉ちゃんが何度も手を繋ぎたそうにしてたのに何で気付かないの? 手を開いたり握ったりして何をしてると思ってたの?」 「いや……その……?」 「それに! 何よりダメなのは──お姉ちゃんを置いて『ここ』に来ちゃったこと!」

2 23/05/09(火)23:32:57 No.1055628804

アヤベを置いて、ここに。 「……あ」 やっと、思い出した。お出かけの帰り道。アヤベと並んで歩く途中に、トラックが横転して突っ込んで来て。俺は、咄嗟にアヤベを突き飛ばして、彼女を助けようと。 「もしかして、君は」 「お姉ちゃんもお姉ちゃんだよ。こんなにわかりやすい人、いないのに……」 やっと、目の前の少女の正体がわかった。でも今は、それよりも。 「アヤベは無事なのか?」 「……うん。ちょっと手のひらを擦りむいちゃったみたいだけど」 「……そっか……なら、良かっ……」 「良くない!」

3 23/05/09(火)23:34:57 No.1055629477

アヤベの無事を知り、ホッと胸を撫で下ろそうとしたら怒鳴られた。俺としてはやるべき事をやったと思っているのだが── 「だめ! お姉ちゃんを置いて行くなんてダメダメだよ! どこまでもついて行くんでしょ!? 」 「……あぁ、そうだね。俺だって、そうしたい。ずっと、一緒に……でも、ここに来たってことは、俺は……」 目の前の少女が俺の思う通りの存在なら、俺はもう帰れない。 しかし彼女はふるふると首を振る。 「ううん。まだ、大丈夫……まぁ、私も最初はお迎えのつもりで来たけど……ねぇ、耳を澄ませてみて?」 ──ドン、と何かを強く叩く音がした。風の音と目の前の少女の声しか聞こえなかったここで、夢のように幻想的な空間の中で、場違いな程に強く生々しく感じる音が響く。

4 23/05/09(火)23:35:55 No.1055629793

「聞こえたよね? あなたを引き止める音」 ──トレーナーさん! トレーナー!! 何も感じなかった身体が、ふわふわで温かいものに包まれていく。耳元で、誰かが俺の名前を強く呼ぶ声がする。 「だから、もうここに一人で来ちゃダメ。また来たら、蹴り返しちゃうんだからね」 「……わかった」 目の前が徐々に白くなっていく。 彼女にもっと伝えるべきことがあるのだが、その前に声が遠ざかっていく。せめて、彼女の声を聞き逃さないように── 「さっき言ってことも、忘れないでね? お姉ちゃん、夢見がちなんだから」 「……ん、うん……まぁ、参考にするよ──」

5 23/05/09(火)23:36:30 No.1055630012

──強い胸の圧迫感。そして、口の中から肺の奥まで、温かい空気が無理矢理送り込まれてくるような苦しさで、目が覚めた。 「ごほっ!、がはっ……!」 「! 目を、開けた……!」 「……アヤベ」 むせ返るように息を吐きながら、目を開く。目の前には俺に跨り、胸に手を当てているアヤベ。彼女が俺を呼び起こしてくれたんだろう。 「ばか、ばか……どうして……! 私を、置いて行かないでよ……!」 「ごめん……」 アヤベが泣いている。ポロポロと頬を伝う熱い雫が、俺の顔に滴り落ちて弾けて行く。大丈夫だから、ありがとうと、手を伸ばしてそれを拭おうとして──腕が、上手く動かない。

6 23/05/09(火)23:38:04 No.1055630574

「!! 息を吹き返したぞー!」「救急車もうすぐ着くって!」 近くで騒がしい声。首も動かせないから誰のものかはわからない。 腕どころか、全身の感覚が鈍い。きっと頭が興奮して感覚が麻痺している。もう少しして興奮が引いた頃には──地獄のような苦痛が待っているに違いない。想像するだけでも、顔が渋くなる。 「……もう二度と、あんなことしないで……!」 「それは……」 その言葉には頷けない。アヤベの命を守るためなら、多分また同じように身体が動いてしまう。だから、今ここで、俺が彼女に約束できることは。 「……約束するよ。二度と君を置いていかない。ずっと、ついて行く」 「……っ!」 何も感じられない今の身体でも、痛いほどに伝わってくるもの。 それは、アヤベの温もりと、背中のふわふわとした──

7 23/05/09(火)23:38:59 No.1055630913

「──それが、今使っていらっしゃるクッションなのですか?」 「ええ……まぁ厳密には同じ製品なだけで、別物ですけど」 当時の記憶をインタビュアーに語る。 『あのダービートレーナーは今』……とあるテレビ局が時折放送している番組のインタビュー。 夢の内容も含めてあの時の記憶は鮮明に覚えているし、全て語ったが、果たして彼らはどこまで信じてくれるだろうか。 「あの時車に跳ねられて、偶然跳ねられた先に運搬中のクッションがあって……助かった理由もそれが大きかったでしょうね」 「なるほど……」 体重を乗せると優しく柔らかく俺を包んでくれるクッション。命の危機にある俺でも安心させてくれたふわふわ感。 とある牧場で働いているアドマイヤの名を冠するウマ娘も夢中になっている逸品だ。 「さて、とりあえずここまでで良いですか? この後、妻とお出かけに行くので」 「あ、はい! ありがとうございました!」

8 23/05/09(火)23:39:44 No.1055631172

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9 23/05/09(火)23:39:51 No.1055631218

「お待たせ」 「……むしろ、早かったくらいだけど。大丈夫?」 「ああ」 妻と手を繋ぎ、二人並んで家を出る。もうあの事故は何年も前のことで、今となっては痛みも後遺症も残っていない。ただあの温もりだけははっきりと覚えていた。 「あ、あのカフェ寄ってかない? あのドリンク美味しそう」 「……本気?」 「うん」 「……今回、だけだからね……」 少し寄り道してカフェではちみーのシェアドリンクを頼む。添えられたストローの形に妻の目の形が歪むが、決して拒みはしない。怒られるので口にはしないが、そういうところも彼女の可愛いところだと思う。

10 23/05/09(火)23:40:11 No.1055631348

「今日の目的、忘れてないでしょうね」 「もちろん」 「なら良いけど……これからの、私たちの生活には欠かせないものだから……」 もうすぐ増える新しい家族のために、新しい家具──そして、クッションを揃えに行く。 あの時、俺の命を繋いでくれたもの。今も生活に寄り添ってくれるもの。そして、これから先もずっと側にあるもの。 決して忘れられるものか。妻と共に、いつまでも身を委ねたくなる、そのふわふわの名前は── 「──Yogiboが、俺たちを待ってるからな」

11 <a href="mailto:s">23/05/09(火)23:40:32</a> [s] No.1055631506

https://yogibo.jp

12 23/05/09(火)23:40:42 No.1055631563

くそっふわふわマーケティングだ!

13 23/05/09(火)23:41:33 No.1055631868

青汁のやつやめえや…

14 23/05/09(火)23:41:57 No.1055632012

(お姉ちゃんが幸せそうで嬉しいよ……)

15 23/05/09(火)23:42:07 No.1055632063

ちゃんとマーケティングである事を明記したのであんしん

16 23/05/09(火)23:42:41 No.1055632260

まあ買うが…

17 23/05/09(火)23:43:10 No.1055632453

はーっはっはっは!こうして生まれたのが君たちさ!アヤベさんのご息女たちよ!

18 23/05/09(火)23:43:39 No.1055632638

>https://yogibo.jp (例のアイキャッチ音)

19 23/05/09(火)23:43:55 No.1055632733

>はーっはっはっは!こうして生まれたのが君たちさ!アヤベさんのご息女たちよ! テイエムカタリベオー!

20 23/05/09(火)23:43:59 No.1055632753

>はーっはっはっは!こうして生まれたのが君たちさ!アヤベさんのご息女たちよ! 素直に喜べない

21 23/05/09(火)23:44:06 No.1055632774

ヨギボーの回し者め…

22 23/05/09(火)23:44:09 No.1055632815

なんだこれ…

23 23/05/09(火)23:44:10 No.1055632820

>【PR】 (CM挟んだんだな…)

24 23/05/09(火)23:44:41 No.1055632998

こんなふわふわなクッションに包まれる私はきっと特別な存在なのだと思いました 今では私がお母さん 娘たちに与えるのはもちろんYogiboのクッション 何故なら彼女たちもまた特別な存在だからです

25 23/05/09(火)23:44:52 No.1055633040

アヤベさんは双子を産むという信頼感

26 23/05/09(火)23:44:54 No.1055633058

しまったアドマイヤだ

27 23/05/09(火)23:46:29 No.1055633527

布団乾燥機専門店アドマイ屋

28 23/05/09(火)23:46:55 No.1055633648

>布団乾燥機専門店アドマイ屋 ニッチ商店過ぎる…

29 23/05/09(火)23:47:20 No.1055633771

まるでYogiboの回しもののようなインタビューだが実話である

30 23/05/09(火)23:48:06 No.1055633990

気ぶり妹ソウルがふわふわの影に埋もれてしまったな…

31 23/05/09(火)23:48:46 No.1055634240

>とある牧場で働いているアドマイヤの名を冠するウマ娘も夢中になっている逸品だ。 噂だとこの娘年上の左耳飾りウマ娘にセクハラしてるらしいけど…

32 23/05/09(火)23:51:23 No.1055635040

シリアスなSSと見せかけてふわふわマーケティングしやがって…

33 23/05/09(火)23:52:01 No.1055635238

>噂だとこの娘年上の左耳飾りウマ娘にセクハラしてるらしいけど… 無関係ゾーン とんでもないスケベ野郎だべ 無関係ゾーン

34 23/05/09(火)23:55:12 No.1055636243

>シリアスなSSと見せかけてふわふわマーケティングしやがって… シリアスとふわふわは両立できる

35 23/05/09(火)23:55:32 No.1055636329

この妹結婚後はアヤベさんの危険日教えてくれそうだな…

36 23/05/09(火)23:57:54 No.1055637100

>この妹結婚後はアヤベさんの危険日教えてくれそうだな… (ほら!そこで肩を抱くんだよトレーナーさん!) (あー!なんでお姉ちゃんもおてて引っ込めちゃうのー!?) (はやく…はやく…) (抱けー!抱けー!!)

37 23/05/09(火)23:58:21 No.1055637228

久々に見たけど嘘だろ!?って感想が先に来た

38 23/05/09(火)23:58:49 No.1055637372

アドマイヤヨギボーが爆誕しちまう!

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