ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
23/05/03(水)22:16:45 No.1053485301
「お茶持ってきたっス?」 扉がギイと音を立てたかと思うとガラルに似つかわしくない和装の少女が、これまた服に似合わないゆるい口調で声をかけてきた。 「これはこれはいつも遠いところをすまないねえ」 「いえいえ、お茶の良さを広めるためっスから」 彼女の名は茶オイ。茶道を嗜んでおり、カントーの良質な茶葉を個人的に輸入している。実はパルデアのお嬢様らしい。 以前知り合った際、緑茶について色々と教えてもらいついでに茶葉を分けてもらえることになったのだ。 「じゃあ早速淹れてみるよ」 「見ててあげるっス」 同じお茶と言っても紅茶とはまるで勝手が違う。茶ウリちゃんの嗜むお抹茶に至っては、茶葉を挽いて溶かして飲むというのだから驚きだ。
1 23/05/03(水)22:17:54 No.1053485813
「じゃあ早速淹れてみるよ」 「見ててあげるっス」 同じお茶と言っても紅茶とはまるで勝手が違う。茶ウリちゃんの嗜むお抹茶に至っては、茶葉を挽いて溶かして飲むというのだから驚きだ。 「どうかな?」 「うん…美味しいっス!もう緑茶マスターっスね!」 「いやぁ流石に茶オイちゃんみたいにお茶を点てるのは無理だし、まだまだだよ」 「粉にして飲むカフェイン飲料っスからコーヒーと大差ないっスよ」 「乱暴過ぎる…」 やはりお嬢様というのはただの噂なんだろうな、などとぼんやり考えながらマグカップでお茶をすすっていると入り口からカランカランと乾いた音が鳴った。
2 23/05/03(水)22:18:17 No.1053486001
「こんにちはマスター、やってるかしら」 「勝手にドアベルをつけないでください」 一番茶オイちゃんに会わせたくない人が来てしまった。 「新茶のことを一番茶と呼ぶのよ、いわゆる初物ね」 「モノローグを誤読しないでください」 「お茶のいい香りがするわね。私も一杯いただけるかしら?」 「是非どう…ぞ…栞先生!?」 「あら茶オイちゃんじゃないの。どうしたのこんなところで」 「こんにちは栞先生。私はマスターさんにお茶をお裾分けに来ていたところです。お茶をよく飲む常連さんというのは栞先生のことだったんですね」 「そうだったの。いつも美味しいお茶ありがとうね」 「いえ、栞先生にはお世話になってますから当然です」 どうやら二人はすでに知り合いだったようだ。そういえば最近教職もやっているというようなことを本人から聞いたが、まさか音に聞くオレンジアカデミーで教師をやっているとは夢にも思わなかった。 だが、私はそんなことよりも衝撃的な事実に気がついた。
3 23/05/03(水)22:18:43 No.1053486208
「なんで茶オイちゃん私にはタメ口なのに常連さんには敬語なの……?」 「なんでと言われてもマスターさんはお茶について私から教わってるレベルっスから」 「私にもタメ口でいいのよ茶オイちゃん」 「栞先生からは妖精学に加えてカントー文化についても教わっておりますので」 「待って私この中で一番下なの」 「バストサイズと一緒ね」 厳しい上下関係にやはり茶オイちゃんはお嬢様なのかもしれないと思い直しながら私は常連さんをしおづけにした。
4 23/05/03(水)22:20:47 No.1053487106
マスター…
5 23/05/03(水)22:22:57 No.1053488067
嫉妬は醜いわね
6 23/05/03(水)22:25:36 No.1053489225
捕まえてきたのね…
7 23/05/03(水)22:28:39 No.1053490573
マスターお金払わないと駄目よ
8 23/05/03(水)22:36:59 No.1053494199
お姉ちゃん尊敬できる要素ある…?
9 23/05/03(水)22:37:46 No.1053494493
ほらどてら着てるし…
10 23/05/03(水)22:41:08 No.1053495853
どてらってカントー文化ですか?
11 23/05/03(水)22:53:00 No.1053500767
fu2156681.png
12 23/05/03(水)22:57:06 No.1053502371
お姉ちゃんは先生として一応ちゃんとやれてるんだな…