ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
23/05/03(水)00:31:21 No.1053191558
泥の夜の聖杯戦争
1 23/05/03(水)00:36:42 No.1053193093
今までの聖杯戦争を振り返ってみよう
2 23/05/03(水)00:43:09 No.1053195013
SNっぽい:ライダーに殺されかけた夜 2102:ライダーを殺しかけた夜 偶然だろうけど対比になってたことに気づいた
3 23/05/03(水)00:43:57 No.1053195244
全てはSNから始まったのだ
4 23/05/03(水)00:47:50 No.1053196338
伯林は戦時中だからか殺意と裏切りと色々入り混じってた
5 23/05/03(水)00:56:41 No.1053198853
2102すき
6 23/05/03(水)01:02:59 No.1053200499
ぐーりぐりぐり 私とサクヤの愛の物語である2102年は最高の企画なのふれっとですよぐり
7 23/05/03(水)01:05:59 No.1053201230
円卓(エロ担当)来たな…
8 23/05/03(水)01:07:48 No.1053201712
>円卓(ギャグ担当)来たな…
9 23/05/03(水)01:18:37 No.1053204323
そういえば2102は全体的にエロSS多かったな ありがたかった
10 23/05/03(水)01:20:24 No.1053204728
放っておくとガンガンシナリオを牽引していく不思議な生き物がいる企画だった
11 23/05/03(水)01:28:04 No.1053206441
何かお題があればまた書いてくれないだろうか お題ないわ
12 23/05/03(水)01:32:30 No.1053207379
>何かお題があればまた書いてくれないだろうか はい
13 23/05/03(水)01:34:54 No.1053207840
>はい お題が…ないわ
14 23/05/03(水)01:37:25 No.1053208358
じゃ足でなんか
15 23/05/03(水)01:37:38 No.1053208422
2年たった今の日常とか
16 23/05/03(水)01:40:53 No.1053209140
>2年たった今の日常とか fm
17 23/05/03(水)02:22:52 [1/3] No.1053216288
「…───《電脳術式(コードキャスト)》、ねぇ」 目の前の宙空に表示したテキストを流し読みする。この前の授業内容だ。 原理と仮称自体は80年ほど前に構築されていたらしいが、《クオリア》の発達で俄に取り上げられるようになったらしい。 電脳と魔術の融合なんてことをそんな時代から考えていた革新的な魔術師がいたということには素直に尊敬の念が浮かぶ。 テキストを読み終えた楡は手を振ってテキストを閉じた。網膜ではなく空間そのものに表示されるものだ。 ここは《クオリア》の内部なんだから当然ではある。楡はアバターの手でウィンドウを閉じていく。 腰掛けていたのは飴色に艶がかった高級椅子と机───に見えるマテリアルだ。ここの内装はあえて古めかしい装いで統一されていた。 ここ、といっても。時計塔で《クオリア》に専用の電子空間を持つのはこの現代魔術科以外にないのだが。 復習を終えた楡は何の気なく壁画を見上げる。サロンルームになっているそこには昔現代魔術科で教鞭を執っていた偉大なロードの肖像画がかかっていた。 かつてこの教室には自分と同じ五大元素使いも在籍し、彼から教えを受け、そして大いなる成果をあげたという。
18 23/05/03(水)02:23:07 [2/3] No.1053216316
生まれてこの方出会ったことのない、自分と全く同等の才能の持ち主。共感と憧れを感じずにはいられない。 「生まれた時代が一緒なら会って話もできたんでしょうけどね」 ひとりごちる。───あれから2年。 当初の予定通り時計塔の現代魔術科に進学したものの、その道程が全く平坦ではなかったと感じるのは間にあったいくつもの出来事のせいだ。 あの狂騒たる聖杯戦争はもちろんのこと、無事にそれを集結させた後も様々な騒動が現実と電脳を問わず起こった。 時計塔に事のあらましを説明し、様々な追求から隠さねばならないことを隠し通し、再生した《TSUCHIKA》が世界に拓かれていくのを見届けた。 この現代魔術科でも《TSUCHIKA》は興味深い研究対象として侵入を繰り返す生徒は多いのだという。その根幹に楡が関わっていたことはここでも知る人ぞ知る秘密だ。 現実でもロンドンへの留学の用意は想像以上に大変だった。なんせ楡は独り身だ。日本を離れるというのは実家が持つあらゆる権利を放って訪れることになる。 わざわざ3年生の夏に全くの偶然から同道になった水貴と共に時計塔にいる後見人とやらへ会いに行き、またこの後見人が嫌味なやつでそこでも一騒動…。
19 23/05/03(水)02:23:17 [3/3] No.1053216336
それでも、まあ、なんとか。楡は2104年の現代を生きる電脳の魔術師として、守りきった理想のために一歩ずつ歩んでいる。 「…ん?メール?」 鼓膜へ流し込んでくるような電子音に眉をひそめ、課題をやっつけようと新規テキストを開きかけた手を止める。 差出人と文面をちらりと見遣った楡はくすりと微笑んだ。 綻んだ唇に以前のような険や堅さが少しだけ薄れたのは、彼女が少しだけ年を取って少しだけ大人になった証。 僅かに自分を認められるようになり、僅かに自分と他人を以前より大切にできるようになった。呆れるほど僅かな成長の徴。 「───まったく。しょうがないわね」 予定はキャンセル。彼からのSOSとなるとそれなりにのっぴきならないことになっているんだろう。 相変わらずすぐ私に泣きついてくるんだから。それくらい自分ひとりでなんとかできる、って豪語してたのはなんだったのかしら。 《クオリア》からすると地下世界に匹敵する《TSUCHIKA》への秘密のパスコードを展開しながら席を立つ。 そうして時計塔現代魔術科所属の魔術師である枢木楡はかの学科が《クオリア》での魔術研究用に得たプライベートスペースから燐光を残して転移していった。