23/04/11(火)22:34:12 サクラ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1681220052251.jpg 23/04/11(火)22:34:12 No.1046135754
サクラローレルと出会ってから迎える何度目かの春。 桜舞い散る4月上旬。世間では次の桜の女王は誰か、クラシック最初の冠は誰の手に、なんて胸躍らせる季節でもあるのだが── 「雨、止みませんね……」 「……止まないな、雨」 窓の外を見れば、しとしとと降り注ぐ雨。桜のピンク色とさぞかし合うだろう青空は、ここ数日灰色の雲に覆われて顔を見せていない。 このままだと、桜花賞の頃には桜も散り切っているかもしれない。 そして、今度のお休みに一緒に花見に行こうか──と、ローレルと交わした約束も叶わないかもしれない。 「……」 しとしと、カタカタ、ちくたく、と。 沈黙が満ちるトレーナー室で、雨と、キーボードと、時計の秒針の音が、やけに大きく感じた。
1 23/04/11(火)22:34:54 No.1046136087
「……まぁ、でも。花見はいつもやってるようなものだしな！」 「え？」 「だって、ほら。ここには、何よりも綺麗に咲き誇るサクラがあるから」 それは、少し重たく感じた空気を吹き飛ばすための軽口。 ちょっとクサいが、ローレルが少しでも笑ってくれたらそれでいい。もし滑っていてもローレルならツッコミを入れてくれる筈だ。 彼女がどんな返事をしてくれるのか、楽しみにしながらノートPCを閉じて── 「……ふふっ」 「っ！？」 文字通り、目の前。鼻先が触れるか触れないかの距離に、満開のサクラ。