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23/04/01(土)23:26:48 No.1042671416
※怪文書 ポケスペのゴークリでエイプリルフールネタ 鳥神様お納めください
1 23/04/01(土)23:27:48 No.1042671841
エイプリルフール、ウソをついても怒られない日。 イタズラ好きであればこんな一大イベントを逃すハズもない。 ゴールドは気合いを入れながら、キキョウへと向かった。 道中で買ったキキョウせんべいをかじりながら歩くゴールド。視界に長い塀が映り、ちょっと歩くと塀が途切れて塾の入り口が見えてきた。ポケモン塾の庭で掃除をする少女に、小さな人影が集まっている。
2 23/04/01(土)23:28:16 No.1042672053
「クリスお姉ちゃんきらーい」 「そ、そんなぁ…」 手でめそめそと泣くジェスチャーをしながら落ち込んでみせるクリス。 「ウソだよクリスお姉ちゃんだーい好き!」 「よかったぁ…わたしも皆のこと大好き!」 微笑ましいやりとりが今年も行われているポケモン塾。 クリス自身ウソに付き合う事は慣れているようだが、好意を伝えられたことが嬉しいようでニコニコと笑っている。
3 23/04/01(土)23:29:09 No.1042672439
「グッモーニンクリス!」 「あらゴールドおはよ。」 「チビッ子達と楽しいエイプリルフールを過ごしてるみてーだな!」 「あら、見てたの?この日になると塾の子達みんな、わたしにキライって言ってくれるのよね。」 「ウソでよかったと思えるウソか、騙す内容にまでオメーの優しさが行き届いてるのは日頃の教育の賜物ってヤツだな!」 「きょ、教育だなんて…わたしはただ好きで子供達と遊んでるだけで、感謝されたくてやってるわけではないのだけれど…それでも、子供達からああいう風に言ってもらえると、すっごく嬉しいなぁって…!」
4 23/04/01(土)23:30:02 No.1042672780
クリスは、とびきり眩しい笑顔を向けた。 誰かのためとか何かのためとかオレには今も恥ずかしくて言えねえってのに、それを昔からずっと臆面もなく言ってのけて実行し続ける…そんなクリスを。 「愛してるぜ」 「え」 「じゃーなー」 帰りの道中オレはバクバクうるさいハートを落ち着かせるべく、目についた自販機でサイコソーダを買ってぐいっと飲んだ。
5 23/04/01(土)23:32:28 No.1042673765
「クリスお姉さんアイシ」 「愛し!?」 「アイシングクッキーってなぁに?」 「あ、アイシングね!?クッキーにデコレーションしたり、絵やメッセージをつけたやつよ!」 「だからこの缶のクッキーはかわいいんだね、ありがとお姉ちゃん!」 「お姉ちゃんアイ」 「愛!?」 「アイスのモモン味まだあったかなあって」 「ごっごめんねちょっと待ってて探してみる!」 いないゴールドの言葉に振り回されるながら、ポケモン塾での時間は過ぎて。 「…うん、みんなちゃんといるわね!外に明かりがあるからって、もう外に出ちゃダメよ?それじゃみんな、またね!ジョバンニ先生、わたし今日はこれで!」 夕方、塾生がみんな帰ってきている事を確認しながら帰路へ着くクリス。
6 23/04/01(土)23:35:18 No.1042674801
「お帰りなさいアタシの愛する娘~!」 「愛ッ!?…じゃなくって、ただいま。」 「…ん~?」 「ねえクリスー、アイシ」 「愛し!?」 「アイシーどころか信号機とも無縁なヘリって便利ぴょんよねー。」 「そ、そうね…。」 「クリスー、ママのアイ」 「愛!?」 「アイコンタクト知らなーい?」 「ま、ママはただのサングラスで使ったことないでしょ!?」 「バレたかー!」
7 23/04/01(土)23:37:33 No.1042675560
「…クリスなんだか調子悪くな~い?ママ心配っぴょんよー。」 「な、何でもないよ…。」 ママの目付きがかつて捕獲の専門家だったミレイのそれになり、クリスは隠すことを諦めるほかなかった。 「わたし分かんないぃ…!」 「愛してるぜ、ねぇ…大好きのウソなら大嫌いになるんでしょうけど、この場合だと愛してないってことかしら?で、特に種明かしもなく帰っちゃったと。実はホントな、エイプリルフールを盾にしたプロポーズだったりして!素直に言えないなんて青春~!」 「ぷっぷぷぷプロポーズ!?そんなまさかわたしなんかが誰かに告白されるなんて…!」 「ふーん、じゃあ愛憎とも言うけど…憎まれたり恨まれてる可能性は?」 「…ないと思う。ゴールドは、イヤなら言ったり怒るタイプだから。それにゴールドってイタズラ好きなところはあるけど、こういう形で人を傷つけるような真似する人じゃないもの…。」
8 23/04/01(土)23:43:29 No.1042677638
「…じゃあさ、クリスは言われた時、嬉しかった?嫌だった?どっちか分かんないなら好きに思っておけばいいのよ!」 その二択であれば、迷うことはない。そして、伝えるべきだと思う。緊張する。何て言うべきかまとまらない。けれど、拙くたって今伝えないと、ずっと形にすらできなさそうだから。 「遅くにごめんねネイぴょん、ワカバまで…“そらをとぶ”!」
9 23/04/01(土)23:47:43 No.1042679145
ネイぴょんに肩を掴まれながらゴールド宅の前へ降り立つクリス。深呼吸してからチャイムを鳴らすと女性が現れた。 「遅くにごめんなさい!わたしクリスって言いますごっゴールドはいますか!?」 「あらお客さん?待っててね今呼んでくるから。ゴールド~、クリスって女の子がきてるわよー。」 「学級委員でも、こんな夜中に出かけたりするんだな!」 緊張が軽口で落ち着きながら、勇気を振り絞って口を開く。
10 23/04/01(土)23:53:12 No.1042681046
「あのねゴールド…ほら、今日ってエイプリルフールでしょ!?わたしもう子供じゃないしいちいちすぐネタバラしなんてしなくていいと思ってすぐ帰ったのよね!?わたしは、ゴールドに愛してるって言ってもらえて…例えウソでも、すごく、嬉しかった…。」 「真正面からそんな嬉しい事言われると、さすがにちょっと恥ずかしいなぁオイ…。」 言い切って、ゴールドの反応を見て、のぼせ上がっていた頭が冷めてくる。冷静になった頭は自分の言葉を簡単に理解したし、再びヒートアップするのに時間はかからなかった。 「…あ、う、ウソよウソ!所詮エイプリルフールに言ってることでしかないから、そんな本気にならないでね!?」 「えっオイ待「ネイぴょん、“おいかぜ”!!」 「ぶわっ!!」 ゴールドを吹き飛ばしながら、そのままの勢いで飛び去るクリス。
11 23/04/01(土)23:54:05 No.1042681373
『わたしは、ゴールドに愛してるって言ってもらえて…例えウソでも、すごく、嬉しかった…。』 (…アレが、ウソついてる顔ってーのかよ?) 水色の瞳が映える真っ赤な顔を思い出す。 「ウソつけ。」 空へ飛び去るクリスの後ろ姿を見送りながら、ゴールドは自分なりの結論を出した。
12 23/04/01(土)23:54:21 No.1042681468
以上です 読んでいただきありがとうございました
13 23/04/02(日)00:24:49 No.1042693500
ゴークリいいよね
14 23/04/02(日)00:39:36 No.1042698801
で、ゴールドは結局どういう意図で「愛してる」って言ったんですかねぇ?
15 <a href="mailto:s">23/04/02(日)00:45:16</a> [s] No.1042700924
>で、ゴールドは結局どういう意図で「愛してる」って言ったんですかねぇ? ご想像にお任せします