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23/03/10(金)01:06:43 初めは... のスレッド詳細

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23/03/10(金)01:06:43 No.1034615857

初めは、ただの幻聴か夢だと思ってた。 ドンドンドン!ドンドンドン! 毎晩毎晩、夜中になると家のドアが何かに叩かれてるような音がする。その叩く音は日に日に大きくなっていって…何故か、その音が鳴っている間、私の足は玄関に向かってしまい、その前から動けなくなる…。いや動けなくなるわけじゃない、体は動く筈なのに動いちゃいけないと思ってしまう。凄く怖いのに…今すぐこの場から逃げ出したいのに…その音が鳴ってる間は、ここに居なければと… そしてその音の何かは…『そいつ』は、今やはっきりと聞こえるぐらいの音で私の家のドアを叩いていた。 ドンドンドン!ドンドンドン!ドンドンドンドンドンドン! そして……その音に混じって、 アケテヨー オネガイダカライレテヨー そんな声が聞こえてきたのだ。

1 23/03/10(金)01:06:58 No.1034615951

その声は、どこかで聞いたことがある声だった気がして、その声を聞くと、何故か私はとてつもない罪悪感に苛まれて、そのドアを開けてあげなきゃいけないような気になってくる。 どうして?明らかに危ないのに…泥棒かもしれないし、もしかしたら殺人犯とかで殺されるかもしれないのに… ドンドンドンドン! アケテヨー アケテヨー サミシイヨー 怖い、怖い怖い、開けたくない開けたくない開けたくない!

2 23/03/10(金)01:07:30 No.1034616126

ドンドンドンドンドン! オネガイダヨー アケテヨー アソボウヨー 叩かれるドアの音が激しくなればなるほど、『そいつ』の声は悲しさを増していく。その悲痛な声を聞いていると、こっちが悪いことをしている気分になってくる。 ドンドンドンドンドンドン! アソボウヨー サミシイヨー マタアイタイヨー 開けてあげた方がいいんのかもしれない、だって…『そいつ』が…『あの子』が寂しがってるのは私のせいなんだから……一瞬だが何故かそう思ってしまった…。 なんで私のせいなの?私何もやってないじゃない…!私は何も悪くない!

3 23/03/10(金)01:07:56 No.1034616255

ドンドンドンドンドンドンドンドンドン! コウエンニイコウヨー ゲームヲシヨウヨー タンケンニイキタイヨー ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン! あああぁうるさいうるさい!いつまでもうるさい!胸が苦しい、頭が痛い、吐き気がする。 何より心が痛い…とうとう我慢できなくなった私は… 「うるさい!あんたなんか知らない!どっか行ってよ!!」とドアの向こう側の『その子』に叫んだ。 ……………………… 私が叫んだ途端に、その音と声は止んだ。

4 23/03/10(金)01:08:26 No.1034616396

しばらくの間、私は沈黙し続けて、何もないと分かってやっと息を吸うことができた。 そしてさっきまで玄関マット辺りに立っていた筈なのに自分がいつの間にかドアの真ん前まで来ていたことに気がついた…。あの音と声を聞きながら少しずつ前に進んでいてしまっていたらしい…、そして私はなんとなく、目の前にあったドアスコープを覗いてしまった。 赤い目がずっとこっちを見ていた。

5 23/03/10(金)01:08:54 No.1034616534

何故私は音と声がなくなっただけでもう『あの子』がいないと思ってしまったのか… 後悔した時には遅かった。『あの子』は赤い目をスコープ越しに向けながら一言喋った。 アケテ その一言を聞いた瞬間に私の体はドアの前に来てしまった時のように勝手に動いた。いや、そうしなきゃいけないと思ってしまった。 チェーンを外して、鍵を開けて、ドアを開いてしまった。 そこには……

6 23/03/10(金)01:09:26 No.1034616682

そこには…優しいぬくもりがあった… ヤット…ヤットアエタ…ヤット… そして、私は抱きしめられた。 優しくて、暖かくて、どこか懐かしい匂い。 ワタシノ…ダイスキナ…イチバン…タイセツナ… ドアを開ける前と同じ声な筈なのに、恐怖は一切感じなかった。 ただただ優しくて安心して、まるで太陽みたいだった。 これが私の一番の幸せだったんだ。 そう思いながら私は、優しく抱きしめてくれてる彼女に抱きしめ返した。

7 23/03/10(金)01:09:58 No.1034616817

ピッピッピッ 「先生…この子は……いつ目を覚ますんでしょうか…」 「手は尽くしたのですが…目覚めない理由が私共にも分からないのです。現状を維持して目を覚ますのを待つしか…」 その病室にはベッドの上に眠っている少女と、その母親と医者がいた。 母親は目覚めてほしいという気持ちを込めて、少女の手を握る。 しかし、その想いは届くこともなく時間が過ぎる。 少女はベッドの上でとてもとても幸せそうに眠っていた。

8 23/03/10(金)01:10:25 No.1034616945

コレデズット イッショダネ

9 23/03/10(金)01:18:10 ID:SLIoHCqM SLIoHCqM No.1034619150

匿名掲示板は君の作品発表の場所じゃないよ

10 23/03/10(金)01:27:57 No.1034621694

寝ようと思ったらダークりんく来てた…

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