23/03/05(日)02:35:52 ……最近... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1677951352577.jpg 23/03/05(日)02:35:52 No.1032992793
……最近、妙にマックイーンが近い。 「ブライアン先生、今日はこんなことがありましたの!」 「ブライアン先生、ここ教えてくださいまし!」 「ブライアン先生、まだお済みでないのでしたら私とお食事などいかがでしょう?」 ブライアン先生、ブライアン先生、ブライアン先生…… こうなったのは「死」との一件からだ。結果から見れば大団円。自分は片腕だけで済んだし、マックイーンもあのバカも死の運命を乗り越えた。 自分とマックイーンは互いが命の恩人になったわけだ。距離が近くなるのは納得できる。 だがこれは……。 「おい、離れろ」 「あら?前はこれくらいの距離で呪文を教えてくださっていたのに…」 「嘘をつくな」 自分の横でぴったりと寄り添うように杖を構えるマックイーンから少し距離を取ると、「あっ…」と残念そうな声を漏らした。 妙に高揚する気分は目の前の人形にぶつけることで解消できるはずだ───。
1 23/03/05(日)02:36:33 No.1032992881
「よし、そこまで」 「ふーっ……疲れましたわ~!」 「……そうだろうな」 改めて、コイツの才能は恐ろしい。 傷一つない遮蔽物の裏でバラバラになった多数の人形がそれを物語っていた。 「威力、速度、精度。基準はクリアだな」 「ありがとうございます!嬉しいですわ!」 年相応に明るい笑顔は窓から刺す西日より眩しく綺麗で、いつまでも眺めていたくなるが…所詮自分は闇の魔法使いだ。幸せなど望めるものではないだろう。 「──んせい?ブライアン先生?」 「あ……すまん、考え事だ」 我に返るとマックイーンが心配そうにこちらを見上げていた。 「申し訳ありません、お邪魔してしまいましたか?」 「いや、いい。なんだ」
2 23/03/05(日)02:36:51 No.1032992916
「実は折り入ってご相談がありまして……」 そう言うと急にモジモジし始め、目を伏せたりチラチラこちらを窺ったりと挙動不審になった。 「実は……その、私、好きな人が出来ましたの」 「……そうか。で?」 「それで……その、どうすれば良いかアドバイスを頂けませんか?」 頬を赤らめ、尻尾をパタパタさせながら上目遣いでこちらを覗きながら放たれた、何らうろたえる必要もない質問に、何故か一瞬だけ詰まった。 「さっさと想いを伝えればいいじゃないか」 至極単純に回答をすると、力強く「わかりましたわ!」とうなずき、 「ナリタブライアン先生が好きですわ!私とお付き合───……」
3 23/03/05(日)02:37:18 No.1032992977
「ん……」 目を開けるとマックイーンに抱きかかえられていた。 「大丈夫ですの!?」 「気を失っただけだ」 「大丈夫ですの!?」 「問題ない。それで、相談というの──」 「ナリタブライアン先生、お慕い申しております」 「──そうか」 「はい」 聞き間違いではなかった。頭がうまく回らない。マックイーンの口から発せられた言葉が頭の中で反覆され、ぐるぐる回る。こいつは何を言っている? 何故そんなことを言い出す?なぜこのタイミングで…。 何より、一番困惑しているのは──どうしようもなく胸が高鳴っている自分に対してだった。 「……お返事、待っておりますわ」そう言い残し教室を出ていったマックイーンの残影を追いつつ、とりあえずオグリンデルバルドに報告しようと姿くらましを使った。
4 23/03/05(日)02:37:35 No.1032993014
ダメだった。完全に外堀を埋められてしまった。オグリンデルバルドはともかく、アイツの両親おかしいんじゃないか?自分の子供が年の離れた大人と結ばれるというのに特に話し合いとかもなく快諾するのは……親としてどうなんだ? 「おい」 「はい?」 なぜか自室までついてきたマックイーンに問いかける。 「…どうして私なんだ」 「それは……話せば長くなりますわ」 「別にいい。聞かせろ」
5 23/03/05(日)02:37:47 No.1032993050
「そうですわね……」 マックイーンは考えるように少し俯きながら口を開いた。 「おそらく一目惚れですわ。とはいえ最初からこの気持ちに気づいていたわけではありません。あの時……貴方の頭部が吹き飛ばされたとき……」 ぱた、ぱた、と涙が垂れ始めて、それでも言葉を紡ぐ。 「失いたくない……そう、思いましたの。だから戻るのに失敗した時、真っ先に貴方に会いに行きましたわ……まだ何とかなると……一縷の望みに賭けて」 (ああ、この子は) 「だから……戻ってきて来てくれた時は、本当に嬉しかったですわ……!死との契約の時も、私を助けて下さって……本当に、どれだけ貴方の存在が支えになったか……!」 (どこまでも、他人に優しく温かい人間なのか) 「ですのでナリタブライアン先生……どうか、私の事を貰って下さいませ」 ───静かな廊下に鍵の閉まる音が響いた。
6 23/03/05(日)02:38:47 No.1032993177
終わり
7 23/03/05(日)02:43:20 No.1032993829
完璧なハッピーエンドですわー!
8 23/03/05(日)02:51:52 No.1032994851
最高ですわー!
9 23/03/05(日)02:53:53 No.1032995072
>完璧なハッピーエンドですわー! >最高ですわー! 勇気だしてスレ立ててよかった
10 23/03/05(日)03:03:33 No.1032996173
ここまで書いたらぴょいの寸前まで書いてみないか…?とても見たいぃぃ
11 23/03/05(日)03:05:21 No.1032996374
ブライアン先生が生徒に押し切られてなし崩し的に交際始めちゃうのいいですわね…
12 23/03/05(日)03:05:43 No.1032996416
>ここまで書いたらぴょいの寸前まで書いてみないか…?とても見たいぃぃ エロ書くとスタミナごっそり持ってかれるからキツいんだ ごめんね…
13 23/03/05(日)03:07:46 No.1032996628
>>ここまで書いたらぴょいの寸前まで書いてみないか…?とても見たいぃぃ >エロ書くとスタミナごっそり持ってかれるからキツいんだ >ごめんね… 残念だ…でもここまで書いてくれてありがとう…
14 23/03/05(日)03:43:05 No.1032999768
戦時テイオー続き来ないかな…