ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
23/02/19(日)22:28:51 No.1028471528
過去の世界から現れたという現代でも再現不可能なAIを搭載したアンドロイドが現れて数年──アンドロイドに付着していた結晶を分析した結果、侵食性はあるものの人類の思考を読み取り、望む機能を叶える非科学的な力があると発表された。 それにより著者Dr・マサキの『ポケモン転送機能を人間に応用する技術』が日の目を浴び、人間ネットダイブシスティム、任意で行える人間とポケモンの融合・分離技術等それに類似するように技術が発展し──国ではなく、企業が支配する時代となった。 そんなこととは関係なく、今日も我が主はモーター・トカゲの背に乗り、テラスタル結晶で囲まれた道をひた走る。 王冠による個体値増幅・6Vメタモンの簡易量産により、最高の個体を作るのが容易になった。しかしてその代償に、逆に駄目な個体値のバイオポケモンを作ることが難しくなってしまったらしい。一応攻撃と素早さが駄目なメタモンもある程度生産されているが、それ以外の駄目な個体値に関してはてんで狙って産むことはできない。
1 23/02/19(日)22:29:07 No.1028471638
もはや孵化厳選も過去のものとなって久しい現代において、トレーナーは孵化の辛さに耐えることを忘れてしまった。そこの隙間を狙うように生まれた仕事の一つが、我が主が生業とする孵化し屋である。 「あぁ~もう、全然生まれない!! そもそもC駄目なドラパルトって何に使うのさ!?」 何百個かも分からぬドラメシヤの卵を孵化させたところで、我が主がモータートカゲから降り、テラスタル結晶の道路に寝転がり子供のように駄々をこねる。親の個体値が良いせいで中々依頼主の希望とする個体を産むことが出来ていないようだ。ちなみに色違いは2匹くらい生まれた。 そんな彼女をモーター・トカゲが「アギャア」と心配そうな目で見つめる。彼もかなり疲れているだろうに、主人を気遣えるとは……はたして電子制御によるパターン行動なのか、それともポケモンという存在による自発的行動なのか、私には判別することはできない。
2 23/02/19(日)22:29:17 No.1028471706
「……うん、大丈夫! 心配させてごめんね。よーし、弱気な私は終わり!! 孵化作業開始するよ!!」 心の中で弱気な自分をやっつけたのだろう。我が主は勢いよく立ち上がり、ボックスを操作し手持ちのドラメシヤと卵を入れ替え、またしてもモーター・トカゲの背に乗り込む。 いつも明るい彼女。たまに少し拗ねたり弱音を吐いたりはするも、すぐに立ち上がる。まさに私にとっては、太陽のような存在である。 ただ、ただ一つだけ問題があるとすれば…… 「さあ行くよガモスちゃん! 君のお陰で孵化もかなり効率化できているけれど、まだまだ長い道になるかもしれない! それでも、私と一緒に頑張ろう!!」 私、モーター・ドクガをウルガモスというポケモンと間違えていることだ。私に孵化を早める機能は搭載されていない。 しかして言語機能を持たぬ私は、私は主人に頭を撫でられながら曖昧な笑顔を液晶に浮かべ、いつものように彼女の後を追いかけるのであった……。
3 23/02/19(日)22:30:47 No.1028472321
炎ウリサイバーパンクものです 孵化し屋うちにも欲しい…
4 23/02/19(日)22:40:08 No.1028475958
テツノドクガかわうそ…
5 23/02/19(日)22:46:44 No.1028478445
プラシーボの効果は案外馬鹿に出来ないから気分的にはいないよりかなり楽になってる筈だし…
6 23/02/19(日)23:02:29 No.1028484449
機械にはあたたかみが足りない
7 23/02/19(日)23:03:52 No.1028484978
あたたかあじ…
8 23/02/19(日)23:04:32 No.1028485244
優しめのアーマードコアみたいな世界だな…
9 23/02/19(日)23:39:29 No.1028497957
ドクガちゃん…
10 23/02/19(日)23:45:55 No.1028500358
機械の身体に優しい心…