23/02/14(火)22:45:59 カント... のスレッド詳細
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23/02/14(火)22:45:59 No.1026630119
カントー4人バレンタイン怪文書投下します 特にカップリングとかなしのギャグ回です
1 23/02/14(火)22:46:23 No.1026630285
2月14日。 今年もこの日がやってきた。 「レッドさん、その…」 「バレンタインチョコよ」 「2人とも、サンキューな」 レッドの自宅。 訪れてきたブルーとイエローからチョコを受け取る。 「わざわざオレんちまで来てくれて、ありがとうな」 礼を言うと、2人は嬉しそうに笑う。 そうしていると、自分も嬉しくなる。 「こんな日だから、直接渡したいですし…」 「それにこの後のことを考えると、みんな一緒にいた方がいいでしょう?」 「…そうだな」 途端に、部屋の空気が重くなる。 先程までの笑顔も即座に消えた。
2 23/02/14(火)22:47:06 No.1026630594
わかっている。 この日は女の子からチョコをもらえる日。 だがその上限は決められていない。 なら、モテる男はどうなるか。 レッド自身のことではない。 自分がモテないとは思いたくない。 だが、もらえたとしても10にも満たない数しかない。 ならば誰のことか。 そう考えていると、ポケギアが鳴りだした。 イエローの、ブルーの目線がこちらに向く。 鳴っているのはレッドのポケギア。 ならば自分が取るしかない。 観念してレッドは通話ボタンを押す。
3 23/02/14(火)22:47:23 No.1026630717
「もしもし」 「レッド、すまんがトキワジムまで来てくれ。 ブルーとイエローは…」 「ああ、2人もこっちにいるよ」 「なら話は早い。待ってるぞ」 そこまで言うと、通話は途切れた。 盛大なため息が漏れる。 それは自分か。ブルーか。イエローか。 もしかしたら全員かもしれない。 「行くしか、ないか…」 「そうね…」 「頑張り、ましょう…」 死地に向かうような気分。 それでも1人で行くよりは心理的負担は少ない。 2人の肩に手を置くと、頷きが返ってきた。
4 23/02/14(火)22:47:54 No.1026630915
少しした後、トキワシティへと3人で向かう。 トキワジムに辿り着くと、グリーンが外で待っていた。 「来たか…」 「…ああ」 いつにもまして仏頂面。 彼の気持ちはこちらにも痛いほどわかる。 「お前たちに来てもらったのは他でもない。 例によってこのチョコの処理を手伝ってくれ」 「他であってほしかったわ…」 大きくため息をつく。 今度はその場の全員がしたと確信できた。 「こんなに嬉しくない他でもないって発言初めてだよ…」
5 23/02/14(火)22:48:17 No.1026631081
「これ、去年よりも多くないですか…?」 イエローがコンテナを見上げていて、自分もそれに倣う。 天井は開いており、そこから山盛りのチョコが見えていた。 全部、グリーン宛に送られたファンからのチョコだ。 「あそこまでオレと量が違うと、もう羨ましいとも思えないや…」 「ファンの子達には悪いけど、正直ひいちゃうわ…」 「あはは…」 イエローが苦笑いする。 ファンの人達に悪いことを言いたくないのだろう。
6 23/02/14(火)22:48:45 No.1026631288
「ジムにも入らなくてな。こうして外に出しておくしかなかった」 「だから外で待ってたのか…。 ま、ゴンがいれば大丈夫だよ。 半分以上は軽いって」 「非常に癪だが、頼む」 「いやこんな時くらいはライバルの手を借りたくないとかはやめときなさいって」 レッドはボールからゴンを出して、先に食べさせる。 みるみるとチョコの量が減っていく。 毎年、この日は彼に頼っていた。 さすがに全部自分たちでは食べきれない。 捨てるという案は全員が望んでなかった。 それは送ってくれたファンのみんなに悪い。
7 23/02/14(火)22:49:46 No.1026631719
全員で十字の配置について、拳を突き合わせる。 イエローは背丈が足りなかったので背伸びしていたため、みんなで腕を少し下げて彼女に合わせる。 「よし、やるぞ!」 「なんでアタシたちただチョコを食べるだけなのに気合い入れてるのかしら」 「やめろ!言うな!」 「正気に戻ったらダメです!」 気を取り直し、コンテナに向かう。 が、ゴンの様子がおかしい。 チョコの数も思ったより減っていない。 それどころか、ゴンが固まっていた。
8 23/02/14(火)22:50:32 No.1026632018
「あれ?ゴン?どうした?」 「体調でも悪いのか?」 「昨日までは元気だったんだけどな…」 身に覚えがない。 レッドの感覚では、急にこうなったように見える。 「イエロー、ゴンくんの記憶読み取ってくれない?」 「あ、はい」 イエローがとてとてとゴンに近づく。 彼の脚に触れて、目を瞑る。 しばらく待つと、イエローが口を開いた。 「ゴン、虫歯みたいです」 「…虫歯!?」 3人で驚きの声を上げる。
9 23/02/14(火)22:50:57 No.1026632186
「レッド!トレーナーなら手持ちの管理はきちんとしておけ!」 「オレだっていつも歯磨きはしておくように言ってたよ! それにしたってこんなタイミングでなるなんて思わないって!」 「2人とも落ち着いて! 喧嘩するよりも今はゴンくんの虫歯をなんとかするのが先よ」 ブルーに諌められ、グリーン共々矛を下ろす。 「イエローの治癒の力でどうにかならないか?」 「前にラッちゃんにもやってみたんですけど、虫歯には効かないみたいです…」 「仕方ない。力づくで抜くか」 「ちょっとグリーン!カイリキーとハッサムで何する気!?」 騒いだ後、結局歯医者に行くことになった。
10 23/02/14(火)22:51:18 No.1026632308
「なんとか虫歯は抜いてもらえたなぁ…」 「たまたま予約が空いていて助かった…」 歯医者から出て、みんなで一息つく。 「じゃ、解決したし。そろそろ解散しましょっか」 「そうだな。みんなおつかれー」 「待てお前ら」 立ち去ろうとするレッドとブルーの肩をグリーンが掴む。 「どさくさに紛れて逃げようとしても無駄だ。 絶対に逃がさないぞ」 「バレたか…」 逃げようにも、すごい力で掴まれている。 もはや執念すら感じる。
11 23/02/14(火)22:51:40 No.1026632469
「こうなったら、イエロー! お前だけでも逃げるんだ!」 「アタシたちがグリーンを押さえているうちに早く!」 「そんな!レッドさん達を置いてなんていけません!」 「急に寸劇を始めるな!」 ひとしきり騒いだ後、トキワジムに戻った。 途中でまた補充されたが、全部食べ終わるまでゴンのおかげで3日で済んだ。
12 23/02/14(火)22:51:56 No.1026632556
以上です 閲覧ありがとうございました
13 23/02/14(火)22:56:17 No.1026634339
昨日まで書く予定もなかったんですが急に思いついたので書きました たまにはイエローも書きたいんだ…
14 23/02/14(火)23:20:04 No.1026644149
バレンタインデーは基本ツッコミなグリーンが他三人にツッコミ入れられる構図になるのが良い意味でひどい
15 23/02/14(火)23:31:30 No.1026648663
>全員で十字の配置について、拳を突き合わせる。 >イエローは背丈が足りなかったので背伸びしていたため、みんなで腕を少し下げて彼女に合わせる。 >「よし、やるぞ!」 >「なんでアタシたちただチョコを食べるだけなのに気合い入れてるのかしら」 >「やめろ!言うな!」 >「正気に戻ったらダメです!」 ここの全員のらしさが特に好き