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23/02/05(日)23:59:15 先日ポ... のスレッド詳細

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23/02/05(日)23:59:15 No.1023412790

先日ポケスペ純愛健全ゾロ目スレでのレブルのネタを話として書かせていただきました このスレ自体はダイススレではありません 思いっきり三次創作ですのでご了承下さい あらすじ >ちなみにレッドはブルーのどっちの衣装が好きか! >1.黒ワンピース >2.リメイク >3.どっちも >4.裸 >dice1d4=2 (2)

1 23/02/05(日)23:59:28 No.1023412865

普通の女の子になりたい。 ずっとそう思っていた。 過去を清算し、両親とも会えた。 長年の目標が叶い、自分も穏やかな暮らしに戻れた。 求めていたものが全て手に入った。 だが、今更ながら思う。 自分はここにいていいのだろうか。 暗い過去を持つ自分が。

2 23/02/05(日)23:59:45 No.1023412978

「んー、今日はどっちにしようかなー」 朝、自室でブルーは悩んでいた。 目の前にあるのは二つの服。 一つは青いシャツと赤いスカート。 よく着ていた可愛らしいもの。 もう一つは黒いワンピース。 昔よく着ていた服と同じデザインのもの。 選択肢が出来るのはいいことだ。 以前はそんな余裕などは無かった。 「…こっちかな」 黒い方を手に取る。 自分も二十歳を超えてしまった。 可愛い方のデザインは合わないのかもしれない。

3 23/02/06(月)00:00:37 No.1023413268

ちらりと、青い方を見る。 それにだって未練はある。 贈ってもらったあの服を着た時、似合わないと言われるか不安だった。 だけど、杞憂だった。 褒めてくれる人もいたし、少なくとも誰も悪くは言わなかった。 傷つくようなことを言われなかった。 自分は仲間に恵まれた、と今では思える。 そんなことを考えながら、黒い服へと着替える。 そして青い方をクローゼットに仕舞う。 その手つきが少し遅いのは未練が断ち切れていないからだろうか。

4 23/02/06(月)00:01:10 No.1023413455

家を出て、町を歩く。 「うーん、いい空気」 伸びをしながら深呼吸する。 都会と比べて建物も人も少ない。 だからこそ、ここにしかないものもある。 まず空気が美味しい。 自然も多く、長閑な雰囲気。 喧騒もなく、穏やかに過ごせる。 そんな暮らしに馴染んでいる。 10年ほど前には自分がここまで平穏な生活をできるとは思っていなかった。

5 23/02/06(月)00:01:50 No.1023413697

と、見知った人が目に入る。 赤い上着と帽子の男性。 レッドだ。 彼だけではない。 この町に住む子供たちも一緒だ。 遠巻きに様子を見守る。 どうやらレッドが子供たちにポケモンの捕獲方法について教えているようだ。 ボールを取り出して説明しているような素振りでそれがわかる。 案外彼は人の世話を焼くのが好きなのだろうか。

6 23/02/06(月)00:02:48 No.1023414030

彼らを置いて、別のところに行く。 自分が入って邪魔をしては悪いだろう。 それにレッドがいるなら、あの子たちも危険な目には合わないはずだ。 そう思って、ブルーはその場を離れていった。

7 23/02/06(月)00:03:51 No.1023414433

あてもなく町を歩くと、コンビニにたどり着いた。 なにか買いたいものがあるわけではない。 ただ、このコンビニは最近できたばかりだ。 一回くらいは来店して中の様子を見てみたかった。 飲み物コーナーに訪れて足を止める。 何か飲み物を買おうかと商品を見ていく。 ふと、ガラスに反射する自分の姿が目に入る。 あの頃から順当に年齢を重ね、成長した容姿。 昔と同じデザインの服装だから、余計に変化を実感する。 あの頃と比べた自分。 大人になった自分。 それがこうして目の前にある。

8 23/02/06(月)00:12:28 No.1023417518

改めて見ると、大人びていると自分でも思う。 以前から自分が年齢よりもより年上に見られるような外見だとは思っていた。 だけどあの頃よりも自分の中での幼なげな雰囲気が消えている気がする。 美人、と自分でも思う。 だからこそ余計に、自分には可愛いものは似合わなくなってきたのでは。 自分は女の子、ではなく女。 少女と言えなくなってきている。 子供から、卒業する時期なのかもしれない。 そういう考えが頭に浮かぶ。 思わずため息をつく。

9 23/02/06(月)00:18:01 No.1023419388

普通の女の子。 それに憧れてはいたがそうなれていた期間は短かった。 仕方ないのかもしれないが、あの頃には戻れない。 いつかは誰もが大人になるのだ。 自分にもその順番が回ってきた。 ただそれだけなのだろう。 だけど、寂しい。 過ぎていく時間の流れに、逆らえない。 その残酷さに暗い気分になってしまう。 いけない、と思ってガラス戸を開ける。 そうして映り込む自分の姿を見えなくした。 逃げかもしれない、と自分でも思う。

10 23/02/06(月)00:22:07 No.1023420737

でも気持ちを切り替えたい。 この悲しみも、いつかは乗り越えてみせる。 だけどそれには時間がかかる。 それまでは、と思ってブルーは紅茶のペットボトルを手に取った。

11 23/02/06(月)00:28:24 No.1023422613

飲み物を買った後、来た道を戻る。 先程、レッドたちがいたところに差し掛かる。 だが、彼らはいなかった。 もうあのやりとりは終わったのだろうか。 それとも別のところに移動したのか。 レッドに聞けばわかるかもしれない。 だけどそこまでする必要もないかとその場を後にした。 しばらく歩くと、レッドの姿が見えた。 こちらに気づかず、別の方に向けて歩いている。 彼は今は1人。 子供たちとはもう別れたようだ。 なら遠慮はいらないと彼に近づいていく。

12 23/02/06(月)00:33:19 No.1023424143

気配と足音を控え、レッドの背後に回る。 望まずに手に入れた技能だが、今はこうして役立っている。 因果に苦笑しそうになるのを抑え、レッドに後ろから抱きついた。 「うわぁ!」 慌てるレッドの目を塞ぎ、耳元で囁く。 「だーれだ?」 「ブルーだろ!こんなことするのは」 「あら正解」 即答されて、身を離す。

13 23/02/06(月)00:39:49 No.1023426156

「思ってたよりも気づくの早かったわね」 「マサラでオレにそんな悪戯しようと思うのも、 気づかれずに後ろに潜めるのもブルーくらいしかいないだろ。 それくらいはわかるよ」 当然、という口調でレッドが言う。 彼の意外な分析力に関心する。 「ふーん。アタシに抱きつかれた感触とかじゃなくて?」 「そ、それは…」 途端に、狼狽し始める。 どうやらそこも真実ではあるようだ。

14 23/02/06(月)00:43:12 No.1023427205

「というか、いきなり抱きついてくるなよ…。 心臓に悪いしそんな気軽にしてきていいことじゃないだろ」 「あら、アタシはレッドなら別にいいって思ってるからやってるだけなんだけど?」 そう言ってみると、彼が赤面する。 相変わらずからかい甲斐のある人だ。 一緒にいて飽きない。 彼が同じ町に住んで、こうして気軽に接することができる人物でよかった。

15 23/02/06(月)00:48:18 No.1023428669

「…あ。その格好懐かしいな」 「そうね。レッドと初めて会ったのはこの格好だったわ。 さすがにサイズ合わなくなったからあの時の服そのままってわけじゃないけど」 「そりゃあ、あれからもう10年も経ってるしなぁ…」 彼を少し見上げてみる。 出会った頃は自分が屈んで目を合わせることもあった。 だが今は彼を見上げることになっている。 昔も今もそこまで身長に差はない。 だけど、身長差は逆転している。 そのことにも月日の流れを感じる。

16 23/02/06(月)00:55:55 No.1023430937

「レッドはこっちのアタシの方がしっくり来るんじゃない?」 「そうだなぁ…。 そっちの服装のイメージ強いけど、前に着てた方のもオレは悪くないと思うよ。 あのブルーもかわいいって」 「そう?」 「ああ。 ああいうのもブルーに似合うなって」 以前の服装を褒められて嬉しくなる。 そういえば彼の口からあの服装に対しての感想を聞いたのは初めてだ。 彼がそう思っていてくれた。 そのことにさっきの暗い気分が晴れていく。

17 23/02/06(月)01:02:05 No.1023432692

「なんて言うかさ、あのブルーの時に助けてもらったりしたからさ。 結構印象に残ってるんだ」 彼らと一緒に過ごした。 それ自体は何度もあった。 だけどあの服装の時が彼らと1番腹を割って接していた。 自分でもそんな気がする。 「…そんなに褒めてくれるなら、また着てもいいかな」 「ああ。ブルーだって普通の女の子の格好したっていいと思うよ」 「もう女の子って歳じゃないけどねー」 半目を向けると、彼は頭をかいて笑った。 釣られてこちらもそうなる。

18 23/02/06(月)01:07:26 No.1023434199

「よく考えてみたら、レッドももうそろそろその格好するには無理ある年齢じゃない?」 「だ、大丈夫だって! ブルーもオレもまだまだ若いし!」 「まあレッドは結構童顔だから、まだまだ若い格好も似合うかもしれないけどー」 オホホ、と笑う。 今度はレッドの方が不安そうな顔をしていた。 「でも、アタシが前の格好するならあなたもその格好でいいのかもしれないわ。 その方が釣り合いとれるかも」 「そうかもなぁ…」

19 23/02/06(月)01:12:50 No.1023435698

談笑しつつ、心が軽くなっていることに気がつく。 彼といると不安が消えていく。 一緒にいてくれる人。 その存在が自分にとってどれほどありがたいか。 それを実感できた。 今になってブルーはそう思う。 「ありがとう。レッド」 「え、ああうん」 戸惑いながらレッドが返事をする。 意味は伝わらなくてもいい。 ただ今は感謝を口にしたかった。

20 23/02/06(月)01:13:05 No.1023435771

それに意味がわからずに困惑するレッドの顔を見るのは楽しい。 もう少し、これを見物していよう。 説明するのは満足してからでもいい。 そう思うとブルーの口元が緩んでいった。

21 23/02/06(月)01:13:21 No.1023435855

以上です 閲覧ありがとうございました

22 23/02/06(月)01:17:09 No.1023436865

ブルーは旧デザイン衣装もリメイク版衣装もどっちも持ってるけど年齢的に前者の方を優先して着ているのではという解釈で書いてみました 最初は違和感あったリメイク衣装ブルーも今では見慣れたからもし着なくなってしまうと寂しくなってしまう…

23 23/02/06(月)01:19:33 No.1023437483

>何か飲み物を買おうかと商品を見ていく。 >ふと、ガラスに反射する自分の姿が目に入る。 >あの頃から順当に年齢を重ね、成長した容姿。 >昔と同じデザインの服装だから、余計に変化を実感する。 ガラスに映る演出いいよね…

24 23/02/06(月)01:31:40 No.1023440526

>最初は違和感あったリメイク衣装ブルーも今では見慣れたからもし着なくなってしまうと寂しくなってしまう… ORASで単体災害源の全力ゲンシカイキ二体相手にレッドと正面切ってやり合ったせいでマルノーム曰く「シルバーがくれたのだから」って着続けてて見かねたシルバーが新調黒くれるくらいボロボロになってたらしいからなアレ…

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