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23/01/27(金)23:47:54 泥の性能 のスレッド詳細

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23/01/27(金)23:47:54 No.1020131342

泥の性能

1 23/01/27(金)23:49:31 No.1020131922

性癖に見えた

2 <a href="mailto:1/2">23/01/28(土)00:43:36</a> [1/2] No.1020151742

双眼鏡の中。そこには狭い世界だけが映る。その他のもの一切を捨てた、ただ一点のみを切り抜いた世界。 鴈鉄梓希。大阪に関わって、そして生存した……と裏ではやや有名らしい一般人。 彼女が会社令嬢であることなどこちらではまるで注目されていない。魔術師の家系ではないはず、たったそれだけで「一般人」扱いだ。 その傍らにもう二人、居ることだけは確認できる。一見では女所帯、いわゆる観光客に見えなくもない、が。 手元の写真を確認する。特徴的な蒼い髪。伝えられた年齢とは結び付かない、封印指定とかそういう呼び方をされている……若頭のサーヴァントの言うには「死んでも死なない」モンスター。 それがアサシンによって飲み屋街に誘導されていく(?)姿を確認し、残る一行にピントを戻す。 あと一人は該当なし。いかにも生命線の細そうな、そもそも生気のなさそうな銀髪。詳しい情報はまだ入っていないが、現状諜報は命ぜられていないので保留。 余りにも隙だらけには見えるが、狙撃も今はオーダーされていない。傍らのステンレスストーカーは、冬の寒さに冷え切っている。

3 <a href="mailto:2/2">23/01/28(土)00:43:57</a> [2/2] No.1020151845

「何のために雇われたんだか……」 手持無沙汰も窮まり思わず言葉が漏れる。冬空の下、暖かい照明のもと楽しそうに買い物をする二人を眺めるそのレンズのこちら側はいやに寒々しい。 昔のスナイパーは口に雪を詰めて吐息を隠したというが、簡便にマスクにその役割を担わせる。その中に自分から出た熱が籠るが、温まるよりも不快感が勝った。 ああ、とため息を吐く。自分がいま眺めている相手は、どう見ても他人に牙を剝く顔をしていない。 「気の抜ける……」 双眼鏡を置き、視界の端の缶に手を伸ばす。 頼みの綱のコーヒーは、もはや黒氷と化していた。

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