虹裏img歴史資料館

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23/01/15(日)00:45:31 窓の隙... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1673711131422.jpg 23/01/15(日)00:45:31 No.1015511890

窓の隙間から差し込む朝日が瞼を刺す。いつもなら起きる合図になるその光を寝床の中で味わえるのは休日の特権の一つだが、今日はすんなりと目が覚めてしまった。 理由は明らかだった。隣で眠っていた彼女──自分よりもなお朝が弱いというのが数少ない弱点であるがゆえに、いつも彼女を起こすことから自分の一日が始まるのだが、ベッドの中はおろか部屋のどこにも姿が見えない。

1 23/01/15(日)00:45:48 No.1015511996

彼女がオフであるから自分もオフであるわけで、そうと決まればお互いに何の遠慮もいらないと、昨日は思うさま愛を確かめあった。だからきっと、今日は愛しあったその時のままの柔肌を存分に堪能しながら、起きぬけの少し我儘な彼女を宥めるという最高に贅沢な一日の始めを過ごすはずと思っていたのだが。 ベッドから身体を起こしてみれば、抑えが効かずに床に脱ぎ捨てたはずの彼女の寝間着はなくて、自分の分だけが丁寧に畳まれて机の上に置いてあった。彼女が先に起きたことはまず間違いないのだろうが、何の為にこのようなことをしているのかは全く見当がつかない。 まあいい。居間に行けば、いつものように微笑む彼女が待っていてくれるだろう。寝間着に改めて袖を通しながら、まだ寒い廊下の空気に少しだけ身を震わせた。

2 23/01/15(日)00:46:07 No.1015512115

「おはようございます、御主人様」 居間に響くよく通る澄んだ声を、自分が聞き間違えるはずがない。誰よりも凛々しく、愛おしいその声は、果たして全く予想していなかった言葉を紡いだ。 いや、予想外というならまずは彼女の装いから触れなければならないだろう。頭の上から順に見渡していくなら、可愛らしく揺れる両耳の間にある、純白のホワイトブリムが真っ先に目に留まる。 彼女の勝負服を思わせる濃い緑色のインナーは、これまた真っ白なエプロンドレスに覆われている。そこかしこに見えるフリルは新鮮な可愛らしさを引き立てているが、全体のスタイルは彼女らしく上品で落ち着いたものだ。ドレスの裾から覗く長い黒のプリーツスカートも、彼女のすらりと伸びたシルエットを引き立てるのに一役買っている。 早い話が、彼女は── 「朝はコーヒーと紅茶、どちらになさいますか?」 ──伝統的な、ブリティッシュメイドの装いをしているのである。

3 23/01/15(日)00:46:24 No.1015512237

「…ありがとう。でも、その前に説明をしてもらっても?」 「…?何についてご説明すればよろしいのでしょう?」 何を言っているのだろうと困惑している風だが、口元には可笑しくて仕方が無いという微笑みが隠せていない。長い付き合いになればこのくらいのことはわかるものだが、彼女もそれを隠そうとはしていなかった。 「勘弁してくれ。俺は君ほど出来のいい頭脳は持ち合わせていないんだ。 一から順に説明してもらわなきゃ、状況が呑み込めない」 お手上げだと告げられると、いよいよ彼女は隠す素振りも見せずに楽しそうに笑った。 「あはは、いやすまない。ちょっとした戯れだよ。きみへの慰労を兼ねた、ね。 いつもきみには私のことで苦労をかけているからね。今日は私がきみに奉仕する立場となろうと考えたのさ」

4 23/01/15(日)00:46:43 No.1015512354

彼女らしい丁寧かつ簡潔な説明で、寝ぼけた頭でも状況が整理できてきた。要は今日は主人とメイドという体で何も考えずに楽しもう、と言ってくれているのだろう。 苦労をかけられているどころか、むしろ彼女にこそ休んでほしいと、常日頃から思っているというのは心にしまっておいた。彼女ならこんな姿を他の生徒たちに見せるはずはない。 つまり、彼女も楽しんでいるのだ。なら、それに乗ることが彼女の癒しにもなるだろう。 今日は一日よろしくと告げると、彼女は嬉しそうにかしこまりました、と微笑んだ。 「ルドルフの実家にもこういう人がいるのかな」 「ふふ。少なくとも私の家政婦さんは普通の恰好だったよ。 だから感謝祭の衣装を少々拝借させてもらった。なかなか新鮮な気持ちだな」

5 23/01/15(日)00:46:58 No.1015512427

「何になさいますか?」 「うーん…折角だから紅茶にしてもらおうかな」 「ふふ、かしこまりました」 朝は普段はコーヒーを飲むことにしているが、彼女が淹れてくれるというならいつもと違う一杯を楽しみたい。お湯を沸かす彼女の手付きもその背中で揺れる尻尾も、どこか楽しげだった。 そんな彼女のそばにいたくて、つい席を立ってキッチンに入ってしまった。 「だめですよ。座ってお待ちになっていてください」 彼女の洗練された手際に、なにか手伝うよ、と言いかけた言葉の入る隙はなかった。

6 23/01/15(日)00:47:14 No.1015512519

シャワーに入って汗を流し終えると、ちょうど彼女は朝食を作り終えたところだった。 「どうぞ、お召し上がりくださいませ」 ひとくち口に運べば、焼き魚の香ばしい香りが広がる。普段朝食を蔑ろにしてしまいがちの身には、彼女の丁寧な料理は尚の事沁みるものだ。 「おいしいよ、ありがとう」 「いえ、礼には及びません。では、お部屋の掃除をさせていただきますので」 優雅な所作で立ち去ろうとした彼女を、思わず引き留める。 「ルドルフは?食べなくていいの?」 「…ご主人様、お優しいのは大変嬉しいですが、メイドにそのような気遣いは無用ですよ。 遠慮なくお召し上がりください。私は後で結構です」

7 23/01/15(日)00:47:30 No.1015512632

彼女がいなくなった食卓を見つめながら、もう一度焼き魚を口に運ぶ。さっきと同じもののはずなのに、何故かやけに冷えているように思えてしまう。 休日になれば、いつも食卓の向こうにはルドルフがいるはずだったのに。彼女と他愛のない話をして、今日はどこに行こうかと笑い合っているだけで、幸せだったのに。 今聞こえてくるのは掃除機の音だけだった。いくら話しかけても、楽しそうに微笑んでくれるはずもない。 「お済みですか?では、お下げしますね」 食器を片付ける彼女の所作は相変わらず美しくて、自分の付け入る隙などない。キッチンに帰っていく彼女を、ただ見送ることしかできなかった。 「もう少々お待ち下さい、お部屋の掃除はもう少しで終わりますので」 「…ルドルフ」 なのに、彼女は穏やかに微笑んだまままた行ってしまう。 そんな休日は、もう耐えられない。 「…そばにいてよ。君と一緒がいい。 そうじゃなきゃ、寂しくて仕方ないんだ」

8 23/01/15(日)00:47:51 No.1015512766

抱きしめたまま何も言わない彼女に、少しずつ不安が募っていく。真面目な彼女が仕事を邪魔されていい顔をすることは、きっとないとはわかっている。 けれど、振り向いた彼女の顔は。 「…ふふ、かしこまりました。 では、お膝を拝借しても?」 やはり楽しそうに、笑っているのだった。

9 23/01/15(日)00:48:09 No.1015512879

膝の上に座った彼女の腰に、落とさないようにそっと手を回す。それに応じるように、彼女はこちらに身体を預けてくれた。 そんな姿を見て、奉仕するメイドと思う者は誰もいないだろう。誰にも見せるつもりはないけれど。 「参ったな。きみのおかげで計画が全部白紙になってしまった」 全く困った様子もなく、彼女は笑顔でそうこぼした。彼女の心尽くしをふいにしてしまったのは心苦しいが、どうしても自分は片時でも彼女を離したくないらしい。 「ごめん。でも、今のはルドルフが悪いよ。 せっかくかわいい恰好をしてくれたのに、真面目に家政婦さんみたいなことしようとするんだから」 「耳が痛いな。慣れないことをしたからぼろが出てしまったらしい。 …では、どうすればよかったのかな。ぜひご教授願いたい」

10 23/01/15(日)00:48:26 No.1015512963

困った。彼女と違って、言葉を尽くすのは得意ではないのに。 「簡単だって。 もっともっと、いちゃいちゃするんだよ。やりすぎなくらい」 「…そうか。 確かに、呆れるほど簡単だね」 でも、構わない。 彼女だけに伝われば、それでいいのだから。

11 23/01/15(日)00:48:39 No.1015513039

「…それほど私が恋しいのかな」 「当たり前だろ。できることなら、一秒だって離れたくない」 そんな告白を聞いて、彼女はまた楽しそうに微笑んだ。 「…よかった。安心したよ」 続きを促すように強く抱きしめると、少し恥ずかしそうに、耳許で囁き声が聞こえる。 「仕事できみと離れるとき、いつも私もそう思うんだ。きみもそう思っていてくれたのだと、やっとわかったからね」

12 23/01/15(日)00:48:51 No.1015513123

結局、君のお願いを聞くことになったね。 「…今日はずっと一緒にいていい?」 「もちろん。お望みのままに」 でも、それでいい。 それが一番、幸せなのだから。

13 23/01/15(日)00:49:16 No.1015513291

おわり 最近メイド会長の流れが来てる気がしたので

14 23/01/15(日)00:50:50 No.1015513906

会長とのイチャラブ良い…

15 23/01/15(日)00:51:42 No.1015514266

本物の家政婦さんを知ってるからメイドプレイなのに真面目に家事をしちゃう会長 トレーナーくんは拗ねた

16 23/01/15(日)00:53:17 No.1015514823

反省を活かして次はもっと際どいメイド服着てくる会長

17 23/01/15(日)00:58:35 No.1015516869

誰にも言わないけど会長は奉仕したり求められたりするのが好きなMだと思う トレーナーくんにはばれてる

18 23/01/15(日)01:01:27 No.1015517812

ごく普通にえっちしてる…

19 23/01/15(日)01:09:16 No.1015520729

ふたりきりになると耳元で「…ご主人様?」って囁いてくる会長

20 23/01/15(日)01:14:35 No.1015522601

ほんのりアダルトな感じのシックな会長怪文書ありがたい…

21 23/01/15(日)01:14:40 No.1015522639

ずっとくっついてるとそのうち何も言わずにキスばっかりしてるようになるよ

22 23/01/15(日)01:16:21 No.1015523217

なぁルドルフ ご主人様より旦那様のがいいな

23 23/01/15(日)01:16:51 No.1015523366

トレーナーくんと深い仲になっていくたびに纏う雰囲気がどんどんエロティックになっていくんだよね 女帝とかはそういうのを近くで見て感じてるけど何も言えるはずもなく…

24 23/01/15(日)01:20:01 No.1015524523

>なぁルドルフ >ご主人様より旦那様のがいいな 次の日に三つ指ついて傅いてくれる会長

25 23/01/15(日)01:23:11 No.1015525500

ちゃんと次は「…いけません旦那様」って言ってくれるよ

26 23/01/15(日)01:24:40 No.1015526044

最高だった ありがとう…

27 23/01/15(日)01:26:17 No.1015526528

生徒会室とかでもふとこういうプレイやっちゃって生徒会メンバーにしょっちゅう見られてそう

28 23/01/15(日)01:30:41 No.1015527920

いけないものを見てるような気分になる女帝 何なのかわからないけどなんとなくそっとしておくブライアン

29 23/01/15(日)01:40:22 No.1015530990

皇帝らしからぬ女の部分を受け入れてもらえたり優しいトレーナーくんが欲望を自分にだけ向けてくれることに昏い喜びを覚える会長…

30 23/01/15(日)01:44:04 No.1015532114

公明正大な完璧美女のどろっとした面は健康にいい

31 23/01/15(日)01:47:04 No.1015532978

生真面目さが抜けない会長にちょっといかがわしいプレイを教え込みたい

32 23/01/15(日)01:52:42 No.1015534770

普段苦労してたり立派に振る舞ってる分溜まってるものがすごそう トレーナーくんと愛し合うときにそういうものがじわじわと滲み出てくるしトレーナーくんもそういうものを引き出すのが得意だとよい

33 23/01/15(日)01:54:51 No.1015535466

最中はすごい乱れるんだけど終わったあとに思い出して軽く自己嫌悪しちゃうんだよね でもトレーナーくんはそういう自分を見て喜んでくれるし「そういうルドルフも好きだよ」って言ってくれるから弱いところをさらけ出すのをやめられなくなるんだよね

34 23/01/15(日)01:59:04 No.1015536593

メイドプレイで真面目なメイドやっちゃうのはまぁ…会長ならやるだろうな…

35 23/01/15(日)02:01:08 No.1015537063

このために態々苦手な早起きまでしてくれてるのいいよね…

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