ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
23/01/13(金)21:04:03 No.1015025310
言い訳をすると、その日は疲れていた。有マ記念が終わったと思えば、押し寄せてくる年末の仕事。生徒会としての業務と、シンボリ家としての挨拶回り。僅かな正月休みも心が休まることは殆どなかった。 最も辛かったのは、トレーナー君に会えなかったことだろう。なんでも、3年ぶりに親戚一同が集まることができるというのだから引き止めるわけにもいかない。すぐに戻ると言い張る彼を説得し、正月休みが終わるまでは向こうに滞在させた。 今思えば、つまらない見栄のために苦しい思いをすることになったものだ。 そんなわけで冬休みも終わり、ヘトヘトになった私のもとに彼は帰ってきた。年末年始の忙しさから解放されたと言っても、今度は通常の業務が待っている。 彼が手伝ってくれたおかげでかなり楽であったが、溜まった疲労が消えるわけではない。 そう、私は疲れていた。だからこんなバ鹿げたことをしてしまったのだろう。現実と妄想の区別がつかなくなっていたのか、心の底の願望が漏れ出たのか、もはやそれすらも分からなくなっていた。 「トレーナー君、お手」
1 23/01/13(金)21:04:26 No.1015025515
手の平を差し出して、彼の反応を待つ。別になにか特別なことを期待していたわけではなかった。ただ、困惑する彼を眺めてみたかった。それだけのことだったに違いない。 彼は私の予想通り、きょとんとした顔で私を見つめた。が、次の瞬間、不思議そうな顔をしながらも私の手のひらの上に手を乗せた。 まさしく、彼は忠犬だった。 「あー……トレーナー君、すまない。特に意味があったわけじゃないんだ。ただ、なんとなく……」 「いや……俺の方も、急にこんなことをして悪かった。ただ、年末年始、何もしてあげられなかっただろう?ちょっとでもなにかできないかと思ってさ」 そのまま、くだらない戯れをした私達を笑って終わり。それでいいはずだった。しかし、彼の不在は、少しずつ私の独占欲を刺激していたようだった。 彼が手を乗せた瞬間、私の中のどす黒いナニカが満たされていくのを感じた。しかし、まだ足りない。そうだ、こんなにも頑張ったんだからもっと求めたっていいではないか。彼もそれを望んでいる。何もおかしなことはないじゃないか。 「そうだな……そう言うなら、トレーナー君。今日一日、私の言うことを聞いてはくれないか?」
2 23/01/13(金)21:05:04 No.1015025825
「もちろん、いいよ。できる範囲で、なんでもさせてもらうよ」 私が言えば、彼はそれを疑うことなく実行するのだろう。そのことに、私はどこか後ろめたいような、たまらなく甘美な背徳感を感じてしまった。 「そうだな……それでは、もう一度お手をしてもらおうか」 「そんなことでいいの?まぁ、はい」 きっと、彼は気づいていない。何も知らずに、私の命令にただ従っている。それがまた、私を満たしてくれるのだ。 「うん。いい子だ」 「なんか変な感じだなぁ……もしかして、犬扱いされてる?」 「ふふっ……そうだな。今日一日は、皇帝の忠犬になってもらうのも悪くない」 「ルドルフがいいならそれでいいけど……」 「さて、もう少し姿勢を低くしてもらってもいいかな。うん、そのまま……」 彼の頭を撫でながら、この先のことを妄想する。忠犬となった彼に、何をさせようか。もはや、私に理性というブレーキは残されていなかった。
3 23/01/13(金)21:05:20 No.1015025951
ん?今何でもするって言ったよね?
4 23/01/13(金)21:05:34 No.1015026057
「ねぇ、ルドルフ……もうちょっと実用的な命令とかでもいいんだよ?買い物とかさ」 「私にとってこれ以上の願いはないさ。さて、次は耳のマッサージでもしてもらおうかな」 今日までにしなくてはならない業務はほとんど終わっていた。そのことも、私の欲望を加速させていった。 「うん……そう、もっと強く握ってもいい」 「フチをなぞってくれないか?指で……あぁ、それでいい」 「すまない、そろそろこちらも我慢の限界でね。じっとしていてくれるかい?」 「あまり動かないでもらえるかな?大丈夫、悪いようにはしないさ」 「なに、ただお返しをするだけさ。耳は……ふふっ。いい反応だ」 「子犬のような目をするね、君は。さて、次も私の命令が聞けるかな?もちろん、褒美も用意するよ」 「おーよしよし。いい子だ……」 幸運というべきか、不運というべきか。その日、生徒会室を訪れるウマ娘はいなかった。つまり、私を止める存在はもうどこにもいなかったのだ。結局、寮に戻ったのは夜の10時過ぎ。多幸感で霞がかった頭のまま、私はベッドへと沈んでいった。
5 23/01/13(金)21:05:51 No.1015026198
次の日、疲労が取れ、体からすっかり熱が引いた私は失っていた理性や自尊心を取り戻し、彼へ当てた謝罪文を書くことから一日を始めなくてはならないのだった。
6 23/01/13(金)21:06:35 No.1015026542
疲れでおかしくなってますトレーナーをわんこにして楽しくなっちゃう会長の夢を見たので書きました。 これじゃまるで変態じゃないか!
7 23/01/13(金)21:08:50 No.1015027703
皇帝スイッチがオンしちゃったか…
8 23/01/13(金)21:21:29 No.1015033748
皇帝はそういうことする