23/01/10(火)03:17:18 まさか... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1673288238801.jpg 23/01/10(火)03:17:18 No.1013810682
まさか、巨ジオン帝国を支える巨人が二人いるなんて思いもよらなかった。 この場にいるキョジオーンはいじっぱりの塩帝だけではない。奴の背後にもう一人、こんな状況だというのに呑気に微笑んでいる女がいる。 「陛下！！危ない！」 奴の、否、奴らの十八番のしおづけが、陛下を狙っている。塩帝と、あの背後に佇む魔女。負担の強いハイドロカノンを打ち体勢を崩したエンペルト陛下に対し、二人のキョジオーンが同時にしおづけを放とうとしていた。 「この、ッ……！」 渾身の力を込めて、陛下を──エンペルトを、突き飛ばす。ピキリ、と足元から不穏な音が聞こえた。 「は、ははは！まさか従者に庇われるとは！お笑い草だな鋼の皇帝！」 塩の女の嘲笑が聞こえる。ああ、クソ。もう足がうまく動かない。けたぐりさえ使えれば、こんな女蹴飛ばしてやれるのに。 「卿……？何故、どうして、そんな」
1 23/01/10(火)03:17:37 No.1013810706
ピキピキと再び嫌な音がして、身体中から水分が抜けていくような感覚に囚われる。あるいは、実際そうなのか。 「すみません、陛下。俺はここまでです」 最後の最後に自分の強みであった冷静さを欠いてしまった。そんな奴がエンペルトの隣に並び立つなんて、本来してはならなかったんだろう。 「勝って、ください」 生きたまま塩漬けにされるのは、こういう気分なのか。全身の傷跡が焼け付くように痛む。口が乾いて舌も動かない。水分を失い霞む目が、もうエンペルトの顔すら捉えてくれない。 戦死するのは怖くなかったが、彼女を悲しませたことだけは心残りだ。 ──パキリ 鋼の王城の謁見の間に、また一つ塩漬けの彫像が形作られた。
2 <a href="mailto:おしまい">23/01/10(火)03:18:29</a> [おしまい] No.1013810774
「貴様、ら」 伴侶たりえたはずの騎士を失った皇帝の怒りは、躊躇いなく全てを押し流した。友を得てから封印していたある"わざ"が、この場に襲いかかったのだ。 「生きて帰れると思うな……！」 なみのり。 敵味方関係なくフィールド全てを押し流す秘伝の大業が、塩帝と塩の魔女を押し流す。 ただでさえ常人には制御できない質量の水を操れるエンペルト帝の渾身の一撃は、自ら皇帝を討ちに来た塩帝を押し流して尚勢いよく、城内への侵入者も、兵も、全てを押し流してしまった。 「は、はぁ、はははは……あはははは……」 自らも既に一度しおづけを受け、本来であれば立ち続けることも困難であった皇帝は、ふらりとその場にへたり込む。 ただ一つ流されずに済んだ愛する者の塩の彫像にもたれ掛かると、自らもまたそれと同じ末路を辿ろうと目を閉じた。
3 <a href="mailto:s">23/01/10(火)03:19:18</a> [s] No.1013810837
思ったより短めに仕上がったので今日中に置いておこうと思いました 俺は朝になってから推敲は無理だ…ちょっと恥ずかしくて…
4 <a href="mailto:シコれる">23/01/10(火)03:19:22</a> [シコれる] No.1013810844
可哀想なのは
5 23/01/10(火)03:22:04 No.1013811036
いいしおづけだ…自分のしおづけも早く完成させないとな…
6 <a href="mailto:s">23/01/10(火)03:23:49</a> [s] No.1013811167
チクショウ改訂しようと思ったのにできてないところがある まあ怒りに任せた以上思考が単調だったと思って欲しいです このあと陛下と従者がどうなったかは想像にお任せします 一つ言えるのは接収された巨ジオン帝国軍には底抜けにいい奴のパーモット将軍ともともと岩タイプが苦手だったベラカス将軍がいるかもしれせんね