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23/01/07(土)00:13:24  日本... のスレッド詳細

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23/01/07(土)00:13:24 No.1012517152

 日本初無敗の3冠ウマ娘。文句なしの最強格であるシンボリルドルフだって1人の乙女なのだ。好きな人と一緒にいれば幸せだし、好きな人が他の女と居れば嫉妬する。そんな当たり前の、ごく普通の乙女なのだ。  「トレーナー君」  担当に呼び掛けられたので作業を一時中断する。URAファイナルズの優勝バである彼女へは未だに案件や取材が絶えないが、嬉しい悲鳴というものだろう。  「どうしたの?」  「1つ確認をしておきたくてね」  「トレーニング?予定?」  「どちらでもないよ」  なら何だと言うのだろう。疑問に思っていると彼女はPCの前まで移動してきた。いつ見ても惚れ惚れするようなオーラだ、流石皇帝シンボリルドルフ。  「なに簡単な事だよトレーナー君。私の事についてだ」

1 23/01/07(土)00:13:57 No.1012517355

「君の事?」  「そうだ。君は私の事をどう思っている?」  「えっ何急に…うーんまあバ良白眉、かなぁ」  現時点でトレセン最強格の1人である彼女にぴったりだと思ったが彼女は少し不機嫌そうな表情になっていた。  「ありがとうトレーナー君。しかしそうじゃないんだ、私が聞きたいのは…君は私を女性としてどう思っているか、なんだ」  「うーん…優れた容姿と肉体、性格、どれをとっても魅力的な女性だと思う」  「…そうか」  「誰に聞いても十中八九同じ答えだと思うけど…どうしたの?なんかあった?」  「好きな人が出来たんだ。いや違うな、自分の想いを自覚した、と言うべきか」  「そっか、交際はまあほどほどにね」  「…止めないんだな」  「理由がないから。聞きたいのはそれだけ?生憎とそういうのには疎いからアドバイスには期待しないでね」  「いやいいんだ。邪魔したね、ありがとうトレーナー君。それでは失礼するよ」  彼女がトレーナー室を出て行く。ルドルフが恋愛か…ふとルドルフの隣に誰かが居るのを想像する。  「キツいなぁ」

2 23/01/07(土)00:16:15 No.1012518193

それから段々と彼女との距離を感じるようになった。日々のトレーニングが終われば必要最低限のやり取りしかしなくなり、2人で出かける事もなくなった。彼女はよく出かけているようで、きっと相手と上手くいっているのだろう。  「トレーナー君、話があるんだ」  「どうしたの?」  「今度の土曜日は空いているだろうか。もし良かったら一緒に来て欲しい所があるんだが」  彼女からの誘いは久々だった。  「空いてるし別に良いんだけど…ルドルフは良いのか?」  「私が誘ったんだぞ?良いに決まっているよ。変なことを聞くね」  「いやまあ…うん、集合はいつどこに?」  寮で待ち合わせて電車に乗って、今は奥多摩の雄大な自然の中を歩いている。さすがに2人だけ、というわけにはいかず観光客がちらほらいるが気にならないくらい気持ちの良い環境だ。

3 23/01/07(土)00:16:35 No.1012518305

 「ちょっと移動しただけでこんな自然があるのは東京の魅力だよなぁ」  「そうだね、この光景には感服興起してしまうよ」  「クマでも出そうな場所だな」  「クマが出てはクマってしまうな」  「そうなったら匿ってもらわないとね」  などとのんびり会話しながら景色を楽しむ。霧が出たり蛇が出たりと変化に富んだお出かけだった。  帰り道、ふとここに来たのも好きな人の趣味なのかなぁ、等と邪推してしまう。いかん、そう考えると悲しくなってくる。  「おや?どうしたトレーナー君」  「なにが?」  「いや、少し暗い顔をしたように見えてね」  「あぁうん…珍しいじゃん、ルドルフと出かけるのに奥多摩なんて。それも好きな人の影響なのかなーって思ってさ」

4 23/01/07(土)00:17:09 No.1012518492

 「そう、好きな人の影響だよ。その人は自然が好きなんだ」  「へー」  「その人と知り合ったのはもう3年以上前になるね」  「結構長い付き合いなんだな」  「いつも私を見てくれて、普段から応援してくれたりレースも欠かさず見てくれて。勝った時は共に踊躍歓喜、負けた時は共に再思三省してくれた。私にとって唯一無二の存在なんだ」  そんな奴がいたのか。そりゃあルドルフだって惚れるわけだ。なんだ、自分は最初から負けてたんじゃないか。  「随分と良い人みたいだな、安心して任せられるよ」  「私もそう思うよ。だからトレーナー君───どうか私とこれからも一緒に居てくれないだろうか」

5 23/01/07(土)00:17:34 No.1012518637

 え。  「私は君が好きだよ」  自分が。  「君は孤独だった私を支えてくれた。同じ景色を見ようとしてくれた」  そんなことで。  「だからどうか、この想いを受け取ってほしい」  皇帝シンボリルドルフではなく、ただのシンボリルドルフがそこに居た。

6 23/01/07(土)00:17:50 No.1012518736

 普段の生活は変わらない。ルドルフは生徒会の仕事、自分はトレーナーの仕事。もちろんトレーニングにミーティングに…だからこそ。  「こういう時間はすぐ過ぎちゃうね」  「同感だ」  ごく普通の恋人として、2人でのんびり月を眺める。普通の幸せを、当たり前のように。それは彼女らにとってなによりの報酬なのだ。

7 23/01/07(土)00:18:03 No.1012518818

オワリ

8 23/01/07(土)00:28:51 No.1012522354

普通の女の子いいよね…

9 23/01/07(土)01:07:44 No.1012534959

会長はサラッと告白するイメージ

10 23/01/07(土)01:08:16 No.1012535102

ルナちゃんいいよね…

11 23/01/07(土)01:26:06 No.1012539630

一度別の男を匂わせて独占欲煽るめんどくささが実に会長らしくていい

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