ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
22/12/23(金)20:16:32 No.1007164336
生徒会主催のクリスマスパーティーや、風紀委員会のトレーナー寮の臨検の喧騒が消えたクリスマスの夜 それまでの騒がしさは嘘のように消え、シンと冷えた東京空の下、静寂だけがあるそんなトレセン学園の深夜 ウマ娘寮に一つの影がうごめいていた… その影は、談話室にあったサンタクロースのためのミルクとクッキーを無視して、ウマ娘たちの部屋を目指し歩く 影が部屋の前にたどり着くと、虚空から袋のようなものを取り出し、独りでに開いた扉の中に入って行き、袋を置いてまた出てきた 影はプレゼントを渡せたことに満足して、恰幅のいい腹をさすりながら「ホーホーホー」と笑いまた次の部屋に入っていく まるでサンタクロースのようだ
1 22/12/23(金)20:17:02 No.1007164559
しかし、サンタクロースとは違って全部の部屋に入るのではなく、スイープトウショウやシンコウウインディなどの部屋に入ってゆく ・・・つまり語弊はあるかもしれないが、悪い子たちの部屋ばかり入っていくのだ そして、衣装も赤と白ではなく黒をベースにした衣服となっていた
2 22/12/23(金)20:17:30 No.1007164769
この変わったサンタクロースは黒サンタと呼ばれ 悪い子にクリスマスの夜にプレゼントを渡したりするしている もっとも、渡すのは「豚や牛の臓物」「石炭」「ジャガイモ」など、子供にとっては嬉しくない物ばかりだったりするが… 要するに、ナマハゲみたいな存在 問題児だらけのトレセン学園のクリスマスの夜は黒サンタが徘徊しているのが毎年恒例となっているのだ
3 22/12/23(金)20:18:00 No.1007164995
黒サンタは次なる悪い子の部屋の前で止まり、再び虚空から袋を取り出し、独りでに開いた扉の中に入っていく 扉の表札には「ゴールドシップ」と書かれていた___ 黒サンタがゴールドシップが寝ているベッドの隣に袋を置き、満足げに部屋を出ようとした瞬間… 「うぉおおおおっしゃあああああい!!!!!!!」 ゴールドシップがベッドから跳ね上がり、黒サンタに飛び蹴りを放つ! 「ホッホーホーホー」 しかし、黒サンタはその言葉と共に、死角から放たれた飛び蹴りをサイドステップで簡単に回避、 そして走り始めようとして…躓いた
4 22/12/23(金)20:18:25 No.1007165186
「飛び蹴りはハズレ、賭けは俺の勝ちだなゴルシ!」 「ハッ黒サンタか、本当に表れるとはな!」 勝ち誇るように宣言するナカヤマフェスタ、面白いおもちゃが現れたと見てるシリウスシンボリ 彼女たちがロープを張って黒サンタをひっかけていたのだった だが黒サンタも躓いた勢いをそのままに前転し、再び立ち上がり逃げ出そうとする しかし、鋭い視線を向けられそれができなかった
5 22/12/23(金)20:19:01 No.1007165446
「おい…またあんたか」 鋭い突き刺すような目で黒サンタを見つめるナリタブライアン ゴールドシップらに生徒会の介入かとピリッとした空気が流れるが、ナリタブライアンは一向に気にせず黒サンタに話し続ける 「前にも言ったが、見逃してほしければホルモン以外のカルビやロースを用意しろ、今年は用意したんだろうな?」 ナリタブライアンの発言に「ヲイ」と言わんばかりの目を向けるゴールドシップら、 黒サンタは虚空から袋を取り出し、ナリタブライアンに投げてよこし そして「ホーホーホー」という言葉と共に虚空に消えていった… 投げられた袋の中身をジャガイモだと確認したナリタブライアンはただ「今年も逃げられたか…」とつぶやいたのだった
6 22/12/23(金)20:19:31 No.1007165666
・・・・ 「んじゃ、集めてきた袋の中身を確認しよーぜー!」 あの後、ゴールドシップらはウマ娘寮内に黒サンタが置いた袋を全部回収してきたのだった 「ほう、豚ホルモンに牛のホルモンまであるな、焼肉か鍋かだな」 「石炭もあるから焼肉の方じゃね?しかし木炭じゃなくて石炭かよー」 「ゴルシ、石炭で焼肉をしているところもあると聞く、問題はないだろう…しかし生徒会として止めないのか?ブライアン」 「ああ、必要はない…そうだろう?シリウス?」 「ふっ…皇帝様にはもったいないな、お前は」 「かっこいいこと言っているけど、ブライアンは肉が食いたいだけだな、賭けてもいいぜ、ナカヤマ、オメー乗るか?」 「ゴルシ、んなもん賭けにならねえ」 そんなやりとりをしつつ、4人は屋上で焼肉をするための準備をしていくのだった
7 22/12/23(金)20:19:57 No.1007165862
その後、四人はホルモン焼肉パーティーを屋上で開いて黒サンタが持ってきた臓物はすべて美味しく頂かれたのだった 四人はおなかが膨れ、またあの黒サンタが来ないかと思うのだった… 「そういえば、ブライアンのもらったジャガイモはどうしたんだ?」 「スイープの袋と取り換えた、野菜はいらん」 「「「…」」」 聖夜の空の下、ゴールドシップら絶句した END