虹裏img歴史資料館

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22/12/23(金)00:36:48 泥ちょ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1671723408856.jpg 22/12/23(金)00:36:48 No.1006938746

泥ちょっとえっち

1 <a href="mailto:1/2">22/12/23(金)00:37:52</a> [1/2] No.1006939130

「うーん…」 『四季連鎖』を手に唸る。 身体はぽかぽか。ようやくちゃんとしたお風呂にも入れて生き返った心地。眠気もそれなりにある。 ただそれ以上に手渡されたこの魔術礼装が気になっていた。机の前に腰掛け、見た目は長い鉄の棒でしかないそれをじっくりと検分する。 曰く、テアさんは凄い魔術礼装を作るらしい。私の中で物差しがないのでどう凄いのかが分からないが、とにかく凄いらしい。 となれば私でもこうして握れば何がどう凄いのか分かるのかと思いきや、取手の付いた鉄棒ということしか伝わってこない。 テアさんはこれを「私にとって最適なもの」と言っていたけれど…どういう意味だろう。 そうやってその鉄棒を電灯で照らしながら観察していた。集中していたせいで後ろから無造作にやってくる気配にさえ気づかなかった。 そう───不意に首筋へ触れたのは例え難い感触だった。 「どうしまシた?なにかその礼装に不具合でも?」 凄い。そんなことはそれに気づいたときから分かっていた。あっ、この人ひょっとして着痩せするタイプだな…と。 テアさんが私の背後から肩越しに『四季連鎖』をしげしげと見つめている。これという意図もなく、自然に。

2 <a href="mailto:2/2">22/12/23(金)00:38:05</a> [2/2] No.1006939202

密着している。ふわりと香ったのは私の髪から漂うのと同じシャンプーの匂い。 「なにか違和感とかあるようなら言ってくだサいね。一発で完璧に仕上げられるというわけでもないんで」 直に最初見た時から思っていた。あっ、すごい…って。この人は背丈は私よりもやや低い。 けれど私とはそこのボリュームが違う。ひとまわりくらいは優にある。身長比にしてちょっと驚くくらい。 なんというか…あまりに大きすぎるとそれはそれで凄いんだけど、どちらかというと感動する気持ちや圧倒される感覚のほうが強まってしまう。 その点で言うとテアさんのはこの身長で許されるギリギリくらいの大きさ。限界点。美術的に許されるレベル。それが私の首筋にふよんと乗っかっていると強さを感じる。 「あ、そのまま柄を握っててくだサい。微調整するんで。大丈夫でスんでリラックスで」 そうしてテアさんが身を乗り出してくると更に強い。押し付けられて柔らかさが柔らかい。 強いな。逸花さんは…だけどクエロさんもここまでじゃなかった。強い。これが封印指定。湯上がりでこれは…まさか…下着を未着用…? 「…梓希?話聞いてまシた?」 「すみません、最初からお願いします」

3 22/12/23(金)00:44:31 No.1006941649

おっぱい星人め…

4 <a href="mailto:1/2">22/12/23(金)01:19:14</a> [1/2] No.1006953371

函館空港のロビーで椅子に腰掛け、瞳を伏せ、腕組みをしてじっと待っていたサムナはおもむろに立ち上がった。 他の搭乗客より先んじて出口のゲートにやってくる者の気配を感じ取ったためだ。 飛行機の他の客よりも早く案内される、というのは即ちスイート席の利用客ということになる。 とにかく公共交通機関というのが嫌いで、乗るとすればそういう個室を貸し切れる状況に限るというのが彼に無数に存在する玉の瑕のひとつである。 果たしてゲートを潜ってやってきていたのはサムナの想像通りの待ち人であり、そしてサムナを一目見るや否や顔をしかめるのだった。 「こんにちわ、アーロンさん。お久しぶりです」 「まぁた貴様か犬っころめ。いい加減見飽きた顔だ。それを年に1度は見ねばならんとはほとほと嫌気がさす」 減らず口も相変わらず。ゲートまで歩み寄ったサムナに対して心底嫌そうな顔で返事をしてくる。 その男のフォルムを言い表すのは簡単だ。まず樽を描く。四辺へ申し訳程度に手足を足し最後にてっぺんへ顔を乗せる。 190cmに僅かに届かないという大柄なサムナよりほんの僅か低い身長だが、その横幅と体積は一回りや二回りでは利かないほどに太かった。

5 <a href="mailto:2/2">22/12/23(金)01:19:31</a> [2/2] No.1006953444

ホテルのテレビに映っていた大相撲の中継をサムナは思い出す。あれに映っていた力士と体型はそっくりだ。 そんなアーロンがぼやく。 「おまけにだ。今回はよりにもよって貴様が陣頭指揮だと?悪夢極まれりだな。知っていれば断っていた」 「そうでしょうか。誰がトップだろうとあなたは請け負っていたと俺は思います。あなたは決して断らない」 返ってくるのは遠慮のない舌打ちだ。別にサムナに限った態度ではない。この男はあらゆるものへ怒っているかのように常に苛立っている。 それでも、サムナにとってはいくらかは気が楽になる。裏切らない、予想に反した行動を取らない、決して弱くない、という三拍子だけでアーロンはそれなりに頼りになる。 公共交通機関嫌いが祟って他のメンバーとは別ルートでやってきた彼をこうして出迎えたのもそういう理由だった。 政治的な事情であれこれと信用しきれない面子の揃う中である程度信が置けることの気軽さときたら。 「頼りにさせてもらいます」 「冗談ではない!私は私に割り振られた以上の仕事をするつもりはないぞ!」 心底嫌そうなアーロンの宣言を背に聞きながらサムナは控えさせていたタクシーまで先導を始めた。

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