22/12/12(月)19:21:48 「はい... のスレッド詳細
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22/12/12(月)19:21:48 No.1003377668
「はい、パートナーシップ制度がまだ出来て間もないですし、 披露宴は無しで肉親とごく親しい友人だけを招いて行います。 挙式は行おうと思います、私もウエディングドレスを着るのが夢でしたし、 ひとりにも着て貰いたいので…」 「いやー感動だなぁ郁代さんが家の娘になるなんて、10年前は思ってもみなかったよ」 「もうパパったら泣いちゃって、すいませんね郁代さん」 「いえ…」 その時ガチャリと玄関のドアが開くと元気な声が聞こえてきた。 「ただいまー。あっ!喜多ちゃん来てるー!!」 ドタドタと足音がし、リビングにふたりが飛び込んできた 「ねえねえ喜多ちゃんお姉ちゃんまだ帰って来てないしご飯食べていきなよ、 明日土曜だし今日泊まっていくでしょ?」 「いえ…明日は仕事があるので…すいません」
1 22/12/12(月)19:22:26 No.1003377897
「それでは今日はこれで失礼します」 「お母さん、私途中まで喜多ちゃんの事送っていくね!」 「えっ、いえ私は…」 「いいからいいから、さっ行こう喜多ちゃん」 郁代とふたりが人気のまばらな道を駅に向かって歩いている 「ねえ、何で喋ってくれないの。 今だけじゃなくてロインも無視してるよね、なんで?」 郁代は目を伏せて搾り出すように喋り始めた 「後藤さん、私には何の言い訳も出来ないわ、全ての責任は私にある。 でもお願い、許して欲しいの。 どんな贖罪でもするから、だから今、全てをぶち壊すような事は…」 「へーまるで良識のある大人みたいな言い方するんだね、 婚約者の未成年の妹と寝た犯罪者のくせに」 郁代は何も言い返せずにぎゅっと目をつぶった
2 22/12/12(月)19:22:52 No.1003378045
「……なーんてね!喜多ちゃんは悪くないよ、 お姉ちゃんと一時期すれ違ってて弱ってた喜多ちゃんに付込んだのは私、 誘ったのも私、いいよ、許してあげる」 えっ、と郁代は驚いて顔を上げた 「そのかわりお姉ちゃんとだけじゃなくて私とも結婚して」 とピンク色の結束バンドを郁代に手渡した 「時々でいいから薬指に付けてよ、いいでしょ? だって、喜多ちゃんはこれから『後藤』になるんだから」 そう言って、後藤さんは笑った