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22/12/10(土)23:31:03 泥の休日 のスレッド詳細

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22/12/10(土)23:31:03 No.1002713246

泥の休日

1 22/12/11(日)00:01:09 No.1002725140

寒空の下、一人で人を待ち続けるのはなんとも言えない気分だ。特に今日がクリスマスイヴであれば。 回りは家族連れかカップルばかり、なんだかあの人一人で15分も待っているわよ?なんて言われているような気がしてしまう。まぁ気のせいなのだけど。 久しぶりに彼に会うと言うことでつい気持ちが逸り30分程早く来てみたが、勇み足も良いところだ。 私の為に無理矢理時間を作ってくれるから、私は静かに待つのだ。大和撫子なんて似合わないけど。 「…すみません、待たせてしまいましたか?」 と。私の耳に彼の声が聞こえた。急いで来たのか肩で息をしている。 私の為に急いでくれたのが嬉しくて「ううん、今来たところ」なんて言ってみたり。 「……ねぇ、怒らないで聞いてくれる?」 「良いですよ」 彼の格好を見て私がまたバカな事を思い付いた事を察しつつも聞いてくれる。そういうとこが好き。 「サムナくん、狼が赤い服着てると赤ずきん思い出さない?」 「赤ずきんで狼が化けたのは赤ずきんじゃなくてお婆さんですよ?」 「え?」「え?」 思わず顔を見合わせてしまう。 サムナくんはははは、と爽やかな笑みで流してくれたけど、うん、ちょっと恥ずかしい

2 22/12/11(日)00:28:20 No.1002737534

「それで、新しい子はどうなの?」 「優秀ですよ、戦うのもそうじゃない仕事も。俺にとっては後者のが重要ですかね」 「まあ、うちの例に漏れず少し変わり者ではあるんですが」 せっかく空けた時間だというのに、話せることは仕事の話ぐらい。こんな調子では他の予定に回した方が彼女は幸せかもしれない。 「サムナくんはここのチキン好きだったよね?美味しい?」 「はふはふ……ええ、昔と同じ。少し値上がりしたのが気になりますけど」 彼女との会話はいつも特別ではない、思えば最初に付き合い始めたきっかけも。昔の自分が知ったらロマンスが足りないと思うだろうか? けれど、それで良い。一緒に地獄に落ちてほしくもないし、天国に連れて行ってくれるとも思っていない。何もかもが劇的な痛ましい愛を、俺はもう求めてない。 「あ、見て!ツリーすごい綺麗」「そうですね」 「……私の方が綺麗って言わないの?」「え?ああ、すみません」 「あは、冗談だって。言わなくてもわかってるもの」 そんなもの無くても、あなたはそんな俺を受け入れて隣で笑ってくれる。それが一番かけがえのないものだから。 誰よりも、あなたが良いんです。

3 22/12/11(日)00:33:14 No.1002739240

こいつら仕事が忙しい中クリデートしたんだ!

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